2022年シーズン全日本ラリー選手権第6戦「2022 ARKラリー・カムイ」は、7月10日(日)に最終日の6SSを走行し、ヘイキ・コバライネン/北川紗衣(シュコダ・ファビアR5)が、新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)に13.5秒差をつけて、シーズン5勝目を飾った。23.6秒差の3位には、勝田範彦/木村裕介(トヨタGRヤリス)が入っている。
初日を終えた段階で11.1秒のアドバンテージを得たコバライネンは、この日のオープニングとなったSS5でベストタイムを記録。ところが、続くSS6では茂み入った際に草がラジエターに詰まり、オーバーヒートからエンジンがパワーダウン。このステージだけでベストの新井から11.9秒も遅れてしまう。これで首位コバライネンと新井の差は一気に1.3秒にまで縮まった。
新井に迫られたコバライネンだったが、続くSS7は鎌田卓麻/松本優一(スバルWRX STI)に続くセカンドベスト。さらに、サービスを挟んだSS8、SS9と連続ベストを刻み、新井を突き放す。最終のSS10も福永修/齊田美早子(シュコダ・ファビアR5)に0.8秒差の2番手タイムで締めくくり、終わってみれば新井に13.5秒差をつけて、ファビアR5でのグラベル初勝利を手にした。
「まずは素晴らしいマシンを用意してくれたアイセロ・チームには感謝しているよ。ラリー前にグラベルでのテストを設定してくれたことで、自信を持ってラリーに挑むことができた。ただ、グラベルでのドライブは改善点が多いと感じた。ターマックほどグラベルは簡単にいかないと実感したよ」と、コバライネンは反省点を口にした。
優勝にこそ手が届かなかったものの、新井は初日に首位も走行。シーズン初の表彰台に「グラベルなのではなんとかしたいと思って、最初からプッシュしました。やはりR5は速かったですね。いきなり難しいステージを走行すれば、先行できますが、2回目の走行でヘイキはしっかり上げてくる。それでも一度はトップにも立てましたし、いいフィーリングはつかめました」と、笑顔を見せた。
昨年に続くカムイ2連覇を狙った勝田は、3位という結果に「前戦モントレーでリタイアしていたので、少し安全に行きすぎてしまいました。マシンの進化にドライバーとして、合わせこむことができなかったのが残念です」と、悔しさをのぞかせた。
最終ステージでコバライネンから僅差ながらもベストタイムを奪った福永は、鎌田の追い上げを振り切って36.5秒差の4位を獲得。以下、39.2秒差の5位に鎌田、39.7秒差の6位に奴田原文雄/東駿吾(トヨタGRヤリス)が続いている。