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WRCエストニア:ロバンペラが今季5勝目で選手権のリードを拡大

©TOYOTA

7月17日(日)、WRC第7戦「ラリー・エストニア」の最終日デイ4が、エストニアのタルトゥを起点に行われ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネンが優勝、エルフィン・エバンス/スコット・マーティンが総合2位を獲得した。また、勝田貴元/アーロン・ジョンストンが総合5位、スポット参戦で3台目のワークスカーを駆ったエサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルムは総合6位でフィニッシュしている。

(以下チームリリース)


ラリー・エストニアの最終日デイ4は、タルトゥのサービスパークを起点に、南側エリアで3本のステージを各2回走行。全6本のステージの合計距離は77.98kmでした。各ステージの1回目の走行時、路面は一部を除き概ねドライコンディションでしたが、再走ステージの1本目から雨が降り始め、最終ステージにかけて雨足はどんどん強まり、多くの路面がウェットコンディションとなりました。

前日、総合2位のエバンスに対するリードを29.1秒に拡げた首位ロバンペラは、オープニングステージのSS19で今大会11回目のベストタイムを記録。続くSS20では、ベストタイムをライバルと分け合いました。さらに、SS21でもベストタイムをマークしたロバンペラは、その時点で総合2位エバンスとの差を40.8秒にまで拡げていました。SS22と23に関しては、総合7位につけるラッピが連続でベストタイムを記録。SS22の途中から雨が降り始め、出走順が後方となる、総合順位が上位の選手たちは不利な路面コンディションでの走行となりました。特に、SS23での雨の影響は大きく、ベストタイムを記録したラッピに対し、エバンスは37.1秒、ロバンペラは38.7秒の遅れをとりました。

そして迎えた最終ステージのSS24は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスポイントが与えられる「パワーステージ」。雨は一段と強まり、路面のグリップは著しく低下。ローパワーかつ軽量なRally2車両が記録したタイムを、Rally1勢はなかなか破ることができませんでした。やがて、エバンスが走る頃には太陽が姿を現し、コンディションはやや好転。エバンスは、渾身の走りでその時点でのベストタイムを記録しました。しかし、エバンスに続いてパワーステージに臨んだロバンペラは、エバンスを22.468秒も上まわるベストタイムを刻み、今年4回目のパワーステージウインを達成。今シーズン5回目となる総合優勝を獲得しました。

今回、GR YARIS Rally1 HYBRIDは全24本のステージのうち、距離が短い1.66kmのスーパーSS2本を除く22本のステージでベストタイムを記録するなど、トリッキーなコンディションとなったハイスピードグラベルイベントで高いパフォーマンスを発揮しました。ロバンペラはフルポイント獲得によりドライバー選手権首位の座を守り、2位のライバルに対するリードを83ポイントに拡大。エバンスは、今季3回目の総合2位とパワーステージで得たポイントにより、ドライバー選手権における順位を6位から3位に上げました。また、チームはロバンペラとエバンスが獲得したフルポイントによってマニュファクチャラー選手権の首位を守り、2位のライバルチームに対するリードを87ポイントに拡げました。

デイ4で2本のベストタイムを記録するなど、最後まで攻めの走りを続けたラッピは、最終のパワーステージで順位をひとつ上げ、総合6位でフィニッシュ。また、パワーステージで5番手タイムを記録した勝田は、総合5位でラリーを走り切り、開幕戦からの連続ポイント獲得記録を「7」に伸ばしました。

ヤリ-マティ・ラトバラ(チーム代表)
我々は、カッレがやってのけることに毎回驚かされます。特に、今回のパワーステージは非常に困難なコンディションでしたが、コンディションが難しくなればなるほど、カッレは強さを増していくように思いました。しかし、この素晴らしい結果を獲得できた背景には、チーム全員の努力があったことを忘れるべきではありません。多くのステージでベストタイムを刻んだという事実はGR YARIS Rally1 HYBRIDの速さを証明するものですが、それだけでなく、信頼性も高かったからこそ4台全車がトップ6に入ることができたのです。エルフィンは安定して速く、なおかつ非常に堅実な走りをしましたし、エサペッカと貴元も最後まで良い走りを見せてくれました。ラリー界最高のドライバーたちと、最高のチームと一緒に戦えていることに感謝します。

エルフィン・エバンス

TOYOTA


最後の数ステージは本当に難しいコンディションだったので、ラリーを無事に終えることができて少しホッとしています。今日は総合2位を確保するために、最後まで走りきることが全てでした。パワーステージではリスクを冒すことなく走りましたが、それでもポイントを獲得できたので良かったです。今回最大の収穫は、またしてもチームが1-2フィニッシュを達成したことです。自分たちとしても、昨年このラリーを戦った時から一歩前に進むことができたと思います。カッレは昨年と同様非常に速く、脱帽するしかありませんが、また次回チャレンジします。

カッレ・ロバンペラ
今週末も素晴らしい結果になりました。出走順が一番手だった金曜日の午前中は、エルフィンのペースについていくのが大変でしたが、その後は本当にいい戦いができました。最終日のステージはいつもより長く、また天候との戦いもあり、簡単には行きませんでした。最後の数ステージでは大雨に見舞われ大変でしたが、それでもパワーステージは思い切り攻めました。このような悪天候下では差がつきやすいと分かっていたので、安全性を確保しつつ、できる限りプッシュしようとしました。楽しく走ることができましたし、とてもいいタイムも出ました。ラリー・フィンランドを前に、このラリーで勝つことができて良かったですし、フィンランドでもまた、良い仕事ができることを願っています。

エサペッカ・ラッピ

TOYOTA


何という最終日でしょうか。日曜日にも関わらず走行距離が長かったのはとても良かったですし、今日はいいリズムで走ることができました。流れが良くなり、少し勇気が出てきたことで、自然と速く走れるようになりました。その後、コンディションは非常にトリッキーになり、特に最後のステージは自分がこれまでに経験したことがないくらいクレイジーでした。轍に大量の水が溜まっていて、本当にひどい状態でした。チームにとっては素晴らしい週末になり、自分たちにとっても全体的には悪くないラリーでした。ラリーを通してペースは上々で、昨日のトラブルさえなければ結果も良かったはずなので、次のラリー・フィンランドに向けて良い準備になったと思います。

ラリー・エストニアの結果
1 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) 2h54m29.0s
2 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +1m00.9s

3 オィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +1m55.7s
4 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1 HYBRID) +3m53.3s
5 勝田 貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +4m13.4s
6 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (トヨタ GR YARIS Rally1 HYBRID) +4m49.1s

7 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (フォード Puma Rally1 HYBRID) +5m09.2s
8 アンドレアス・ミケルセン/トシュテン・エリクソン (シュコダ ファビア Rally2 evo)+11m01.8s
9 テーム・スニネン/ミッコ・マルックラ (ヒョンデ i20 N Rally2) +11m27.1s
10 エミール・リンドホルム/レータ・ハマライネン (シュコダ ファビア Rally2 Evo) +13m04.8s

次回のイベント情報
WRC次戦は、2週間のインターバルを経て8月4日から7日にかけて、フィンランドのユバスキュラを中心に開催される「ラリー・フィンランド」です。WRCを代表するハイスピード・グラベル(未舗装路)イベントであるフィンランドは、昨年はイレギュラーな秋季の開催となりましたが、今年は本来の開催時期である夏季に戻りました。チームのヘッドクォーターはサービスパークのすぐ近くにあるため、ホームイベントといえるラリーです。このラリーでは2017年以降4大会連続で優勝しており、新たにGR YARIS Rally1 HYBRIDで臨む今年は、連勝記録をさらに伸ばすべくチーム一丸となって戦います。



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