WRCラリーエストニア(グラベル)のWRC2は、アンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)がテーム・スニネン(ヒョンデi20 Nラリー2)との激戦を制して今季3勝目をマーク。タイトル防衛に向けて、選手権首位に再浮上を果たした。
ミケルセンとスニネンは、超高速グラベルラリーの週末を通してステージウイン合戦を繰り広げ、SS11では同タイム。そのほか、多くのステージをコンマ秒差のタイムで競い合った。金曜日の午後に首位に立ったミケルセンは、雨に見舞われたこの日最後のステージでリードを倍に広げた。土曜日に入っても、ミケルセンはスピンを喫しながらもアドバンテージを維持。しかし、水浸しとなった日曜日の最終2本目のSS23でスニネンが一気に反撃した。マディなステージでミケルセンを6.3秒先行し、その差を3.2秒に詰めて最終ステージを迎えたのだ。
しかし、スニネンの勢いはここまで。最終ステージの 途中でマシンが2気筒しか働かない状態となってしまったのだ。ミケルセンは、最終的にスニネンとの差を25.3秒に広げて部門優勝をマーク。総合でも8位に食い込んだほか、総合でのパワーステージポイントも獲得した。
ポルトガル、サルディニアと続けてリタイアを喫していたミケルセンは、これで選手権首位に再浮上。タイトル防衛に向けて、重要な勝利となった。
「できる限りの速さを尽くした」と語ったミケルセンは、自身が最終ステージをフィニッシュするまでスニネンのトラブルのことは知らなかったという。
「ラインにたくさん水がたまり、何度もハイドロプレーニングになった。通常なら走行順が最後になるので、本当に難しかった。この勝利を飾ることができて、本当にうれしい」
2位でフィニッシュしたスニネンは「2気筒になってしまった…」と言葉を失った。一方、SS22までポディウム圏内につけていたマルコ・ブラシア(ファビア・ラリー2 Evo)は、SS23で転倒してリタイア。この結果、トクスポーツのチームメイト、エミル・リンドホルム(ファビア・ラリー2 Evo)が3位でのフィニッシュを果たした。スニネンに1分37.7秒差でのフィニッシュとなったリンドホルムだが、WRC2ジュニアではトップフィニッシュとなった。
次戦WRCフィンランドでラリー1マシンデビューが決まっているMスポーツ・フォードのヤリ・フッツネン(フォード・フィエスタ・ラリー2 MkII)は、4位でのフィニッシュ。選手権リーダーとしてエストニアを迎えたカエタン・カエタノビッチ(ファビア・ラリー2 Evo)は5位に留まり、選手権争いでは2番手に後退したがその差はわずか3ポイントだ。
WRC2マスタークラスでは、イタリアのマウロ・ミーレ(ファビア・ラリー2 Evo)がトップフィニッシュを飾った。
WRCエストニア WRC2最終結果
1 A.ミケルセン(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) 3:05:30.8
2 T.スニネン(ヒョンデi20 Nラリー2) +25.3
3 E.リンドホルム(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +2:03.0
4 J.フッツネン(フォード・フィエスタ・ラリー2 MkII) +3:27.0
5 K.カエタノビッチ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +5:06.9
6 E.フェルナンデス(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +5:29.2
7 G.リンナマエ(フォルクスワーゲン・ポロGTIラリー2) +6:02.2
8 J.マクリーン(ヒョンデi20 Nラリー2) +10:05.9