WRC第7戦ラリーエストニアのWRC3はサミ・パヤリが優勝。パヤリは、タイトル防衛がかかるジュニアWRCでも優勝を飾った。
エントリーする全車がフォード・フィエスタ・ラリー3となるこの部門。フィンランド出身で20歳のパヤリは、金曜日の午前にラウリ・ヨーナがパンクを喫したところで首位に浮上した。パヤリも、土曜日はリヤのデファレンシャルに抱えたトラブルと向き合いながらの走行となったが、それでも1分以上の大差を築く。さらに最終日は、ヨーナがウエットコンディションに苦戦する中でアドバンテージを倍以上に広げ、最終的に2分15秒7差をつけてフィニッシュ。選手権争いでもリードを26ポイントに広げた。
「フィンランドからもたくさん応援が来ているので、ここで勝てたのは素晴らしい気持ち。みんなの応援がうれしかったし、選手権争いでも支えになっている」とパヤリは語った。
2位にはヨーナが続き、3位にはモータースポーツ・アイルランド・ラリーアカデミーのウィリアム・クレイトンが入った。ケニアのマクレー・キマチは4位だった。
今戦でWRC3デビューを飾ったルーペ・コルホネンは、金曜日午前にパワーステアリングのトラブルに見舞われたが、その後巻き返し、ステージウインを10本奪取する衝撃のパフォーマンスを披露した。
一方、今戦が第4戦となるジュニアWRCでは、パヤリは地元エストニアのロベルト・ビルベスと激戦に。ビルベスは、金曜日午後にサスペンションのトラブルを喫してタイムをロスしたが、土曜日にはパヤリのトラブルでその差が詰まっていく。最終日には、部門2番手まで順位を戻したビルベスが激しくプレッシャーをかける。ビルベスは、セバスチャン・オジエが持っていた一戦でのステージウイン本数最多記録を更新する合計17本のベストタイムをたたき出す猛追でパヤリに迫ったが、金曜日のタイムロスが響きパヤリに14.9秒届かなかった。
これでパヤリは部門2連勝となり、選手権争いでも首位に立って9月のアクロポリス・ラリーギリシャでの最終戦を迎える。この最終戦では、ここまでのジュニアWRCに3戦出走したドライバーを対象に通常の倍のポイントを獲得することができるため、パヤリ(85ポイント)、ジョン・アームストロング(85ポイント)、ビルベス(84ポイント)、ヨーナ(79ポイント)の4人にタイトルチャンスが残されている。
WRCエストニア WRC3最終結果
1 S.パヤリ(フォード・フィエスタ・ラリー3) 3:13:58.6
2 L.ヨーナ(フォード・フィエスタ・ラリー3) +2:15.7
3 W.クレイトン(フォード・フィエスタ・ラリー3) +3:46.3
4 M.キマチ(フォード・フィエスタ・ラリー3) +39:13.6
5 R.コルホネン(フォード・フィエスタ・ラリー3) +1:14:48.3
WRCエストニア ジュニアWRC最終結果
1 S.パヤリ(フォード・フィエスタ・ラリー3) 3:13:58.6
2 R.ビルベス(フォード・フィエスタ・ラリー3) +14.9
3 J.アームストロング(フォード・フィエスタ・ラリー3) +59.4
4 L.ヨーナ(フォード・フィエスタ・ラリー3) +2:15.7
5 W.クレイトン(フォード・フィエスタ・ラリー3) +3:46.3
6 M.キマチ(フォード・フィエスタ・ラリー3) +39:13.6