ERC第6戦ラリーディローマ・キャピターレ(ターマック)は7月23日、イタリアの首都ローマで、この日設定された3SSを2ループする6SS・92.56kmを走行。地元イタリアの強豪、アンドレア・クルニョーラ(シトロエンC3ラリー2)が、SS6でダミアーノ・デ・トマソ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)をかわして首位に浮上した。
前日、本拠地のローマ市街地で行われた開幕のスーパーSSでトップタイムをマークしていたデ・トマソは、この日も順調な滑り出しを見せ、クルニョーラをじわじわと引き離していた。
しかし、この日最後から2本目に設定された29.09kmのロングステージ、SS6のSantopadre – Fontana Liriで、気温が上昇してデ・トマソのマシンとタイヤが限界に達する中で、クルニョーラが快走を見せた。日中サービスでセッティングを変更していたクルニョーラは、このステージでデ・トマソを9.8秒先行するベストタイムをたたき出して、首位を奪取。クルニョーラは、続くこの日最後のステージでもステージウインを獲得して、デ・トマソに9.5秒のアドバンテージを築いてこの日を首位で折り返した。
33歳のクルニョーラは、昨年のERCローマでも土曜日を首位で折り返していたが、この時は最終日でパンクに見舞われ勝利を逃している。
「ものすごくタイトな戦いになっている」とクルニョーラ。
「みんな僅差なので、明日はゼロからのスタートも同然だ。自分としては、今日はミスもなく順調だったが、午前中はロングステージでマシンをコントロールしようとしすぎて少しタイムをロスした。全体としては、1日の内容には満足していいと思う」
デ・トマソに16.9秒差で続いたのは、シモーネ・カンペデッリ(ファビア・ラリー2 Evo)。この日最初のステージではスピンを喫して6秒以上をロスしたが、それ以外は大きな波乱もなくこの日を走り切った。
SS6では、ヨアン・ボナート(C3ラリー2)も好走を披露し、総合6番手から4番手に浮上。カンペデッリまで8.7秒差に迫っている。選手権リーダーのエフレン・ラレーナ(ファビア・ラリー2 Evo)は、さらにコンマ7秒差の5番手まで挽回してきた。ラレーナは、この順位をキープしたままフィニッシュできれば、この週末にタイトルが確定する。
昨年のERCローマ覇者、ジャンドメニコ・バッソ(ヒョンデi20 Nラリー2)は、2回のジャンプスタートで合計1分10秒のペナルティを受け、総合11番手。ペナルティがなければ、クルニョーラにわずか2.7秒差に迫っていた。前戦ERCリエパヤの覇者、マルティン・セスク(ファビア・ラリー2 Evo)はSS3でコースオフを喫し15分以上をロスしたが、コースには復帰。上位争いの望みは失ったが、総合64番手で走行を続けている。
ERC3はエストニアのロベルト・ビルベス(フォード・フィエスタ・ラリー3)、ERC4・ ERC4ジュニアはフランスのローラン・ペリエ(オペル・コルサ・ラリー4)が首位に立っている。
競技最終日となる日曜日も、3SSを2ループする6SS・92.58kmが設定。この日は、イベント最長となる32.50kmのロングステージも待ち構えている。さらに、フィウッジのサービスパークの北部には新ステージ、Fiuggiが設定され、2回目の走行はパワーステージに指定されている。
ERCローマ 暫定結果(SS7終了時点)
1 A.クルニョーラ(シトロエンC3ラリー2) 56:47.8
2 D.デ・トマソ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +9.5
3 S.カンペデッリ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +26.4
4 Y.ボナート(シトロエンC3 ラリー2) +35.1
5 E.ラレーナ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +35.8
6 S.テンペスティーニ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +39.3
7 A.アンドルフィ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +40.9
8 A.バティストッリ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +51.7