ハイブリッドの新規定ラリー1マシンが導入された今季、大苦戦を強いられているヒョンデ。チーム最若手のオリバー・ソルベルグは、チームが必ずこの苦境から立ち直ると信じて疑わない。
現在20歳のソルベルグは、前戦WRCエストニアでも苦しい戦いを強いられ、結果としては13位に終わったが、セカンドベストタイムも2本マークするなど好素材も残した。ソルベルグは好リザルトも期待されていたが、金曜日に石にヒットしてヒョンデi20 Nラリー1のパワーステアリングを破損し、後退。サービスまでの残りステージで、かなりのタイムロスを重ねてしまった。
チームメイトのオィット・タナック、ティエリー・ヌービル同様、ソルベルグもマシンのバランスとハンドリングに苦戦してきており、エストニアの高速グラベルステージではかなりのタイムロスを強いられた。今シーズン前半の厳しい戦況の中でヒョンデは、こうした問題や信頼性の問題を繰り返してきた。
「(チーム拠点のアルゼナウの)ファクトリーでは、より速くより信頼性の高いマシンを作るために、多くの人々が取り組んでいることは分かっている」とソルベルグは強調する。
「スピードがどんどん高まっていくことは常に感じられている。目指すところにはたどり着けると思う。それは間違いないし、まったく疑いを持っていない。今シーズン、チームが厳しい滑り出しになったのはみんな分かっていると思うが、このチームは世界チャンピオンになったチームだ。2019年、2020年、ヒョンデ・モータースポーツは世界一になったのだし、それもほんの数年前の話だ」
「ポジティブな気持ちを持ち続け、将来に向けてハードにプッシュすることが大切だ。自分たちのこのプロジェクトのスタートは少し遅れたが、オィットがイタリアで優勝したりエストニアで3位に入ったという結果は方向性が正しいことを示している。それに、全員が絶対に追いつくという意欲を持って取り組んでいる」
ソルベルグは、8月5〜8日に開催される次戦ラリーフィンランドにも、ワークスドライバーとしてエントリー。ここでは、さらに結果を残し、できれば初めてのステージウインもマークしたいと考えているようだ。
「今回も近いところまでは迫った」とソルベルグ。
「エストニアでは、ベストまであと0.1秒というステージがあった(SS18、この時のステージウイナーはMスポーツ・フォードのアドリアン・フルモー)。悔しいが、でも近いところまできていることは分かっている。正直言うと、今はエンジニアと一緒に、いい解決策を探っているところなんだ」