WRCにタイヤを単独供給するピレリは、今週開幕する第8戦ラリーフィンランド(グラベル)に、スコーピオンKX WRC SAをノミネートしている。
今年は伝統の夏開催・4デイの会期に戻ったシリーズ屈指の超高速グラベルイベント、ラリーフィンランドだが、新しい側面もふんだんに盛り込まれている。ルートの半分が昨年から変更となり、22SS・322.61kmのうち、30km近くが新設区間だ。
常にビッグチャレンジとなるこのラリーだが、こうした変更でさらに未知数の要素が加わることになる。タイヤには、滑りやすいグラベルでの最適なグリップと、大きなジャンプや高速走行に対応する強度と性能が求められる。
Scorpion KX SA:メインとなる選択肢は、気温が低くグリップが低いコンディションや、気温が高いがウエット、さらにドライに適したソフトコンパウンドとなる。
Scorpion KX HA:ドライコンディションで気温が30度を超える場合の選択肢。
テレンツィオ・テストーニ(ピレリ・ラリーアクティビティマネージャー)
「全開走行のステージが待ち受けるフィンランドは、どのドライバーでも勝ちたいと思うラリー。タイム差も僅差になることが多い。冷静さと正確なペースノートとともに、ステージを通して慎重にタイヤをマネージメントすることも鍵となる。特に雨の場合、路面はよりスリッパリーになる。スコーピオンのソフトはすでに、使用範囲が広く非常に汎用性の高いコンパウンドであることを証明している。フィンランドのステージでは常に大きなチャレンジとなるジャンプでの信頼性を確保する強固な構造を持っているこのタイヤが、今回もドライバーが使用する唯一のタイヤとしての期待に応えると考えている」
ピレリが今回のフィンランドに持ち込むラリー1マシン用のタイヤの本数は約500本。ラリー1マシンの配給本数は次のとおり。
Scorpion KX WRC SA:24本
Scorpion KX WRC HA:8本
ラリー1マシンの各ドライバーがラリー中に使用できるタイヤ本数は、シェイクダウン用の4本も含めて最大28本。2022年のグラベルラリーでの新しい規定により、ドライバーは従来の本数に加え、シェイクダウン前に、下記の通常の割り当てに加え、追加でいずれかのコンパウンド4本を選ぶことができる。
ピレリは、そのほかの4WDマシンにも計1700本のタイヤを供給する。ドライバーが使用できる最大本数は26本(シェイクダウンを含む)
Scorpion K6B(WRC3はK6):22本
Scorpion K4B(WRC3はK4):8本