今シーズン、フォード・フィエスタ・ラリー3で出場しているWRC3では2連勝、WRC2ではシュコダ・ファビア・ラリー2 Evoを駆ってサルディニアに参戦したサミ・パヤリ(写真は第3戦クロアチア)。WRC第8戦ラリーフィンランドにもファビアを駆って出場、競技2日目を終えた時点でWRC2ジュニアの4番手、総合13番手と検討中だ。2001年12月1日生まれの若手に話を聞いた。
──ラリードライバーになったきっかけは?
「父がラリードライバーで、僕にとってはラリーの道に進むのが自然なことだった。小さい頃からラリードライバーになりたいというのが夢だったしね。だから自然にそんな状況になった。なにかのタイミングで『よし、ラリードライバーになろう』と決めたわけではないよ。ラリーフィンランドも必ず観に来ていたし、僕がここでドライブできるというのは夢が叶ったということでもある」
──今年からラリー3に加えてラリー2もドライブするようになりました。
「ラリー2の方がパワーもすごいし、低速コーナーでも速くクリアすることができる。高速ステージであまりタイトなコーナーがなければFF車でもとても速いけど、コンディションが悪ければ、ラリー2の方が強さを発揮する。だから本来ならば慎重にいかなくてはならない場合でも、速く走ることができる。だから自分のドライビングや考え方もアジャストしていかなければならない」
──転機になったラリーはありますか?
「もしかしたら2019年のラリーフィンランドがそうだったかもしれないね。初めてのWRCだったからだ。その年はフィンランド選手権でも順調に走れていて、AKK(フィンランドのASN)の『将来のスター賞(Future Star Award)』を6月に受賞し、そのおかげでラリーフィンランドに出場することができたんだ。
ラリーは残念ながらコースアウトしてしまったけれど、それまでは2回ステージウインを獲ったと記憶している。大規模なイベントに来ても比較的速さを見せられると証明できた。サポートしてくれていた人たちにとっても後押しとなったしね」
──なにかスカラシップのようなものを受けていますか?
「前述の『将来のスター賞』もあり、そのおかげでラリーフィンランドに出場できたが、AKKのヤングドライバーアカデミーというものがあって、ドライビングやペースノートについて色々教えてくれるんだ」
──今後の目標を教えてください。
「もちろん、将来はワールドチャンピオンになりたい。僕はすでにジュニアタイトルを獲っている。でも全員がワールドチャンピオンになるために懸命に努力しているから、状況を見極めながら戦っていかないといけないね」
(Keiko Ito)