WRC第10戦アクロポリス・ラリーギリシャ(9月8〜11日、グラベル)はエントリーリストを発行。Mスポーツ・フォードからセバスチャン・ローブが参戦することが確定した。Mスポーツ・フォードからはローブのほか、クレイグ・ブリーン、アドリアン・フルモー、ガス・グリーンスミス、ピエール・ルイ・ルーベ、ジョルダン・セルデリディスがエントリーしており、チームは6台のフォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1を走らせることになる。
マニュファクチャラーズ選手権で首位につけるトヨタは、2021年のアクロポリス戦覇者、カッレ・ロバンペラを筆頭にエルフィン・エバンス、エサペッカ・ラッピをエントリー。勝田貴元は4台目のトヨタGRヤリス・ラリー1をドライブする。
ヒョンデはオィット・タナック、ティエリー・ヌービルに加えてダニ・ソルドをヒョンデi20 Nラリー1のドライバーに起用。ソルドのWRC参戦は今季3度目となる。
ラリー1マシン時代初のイベントとなった1月のラリーモンテカルロを制しているローブは、10年ぶりとなるアクロポリスの参戦は「困難になる」と考えているようだ。現在48歳のローブはアクロポリスで3勝をマークしているが、最後に参戦したのは2012年であり、当時からかなり変わっているであることをローブは承知している。
「今年のアイテナリーの中で自分が経験しているステージは2本しかないと思うが、それも10年前のことなので自分の記憶も“定か”ではない」とローブ。
「またゼロから始めなくてはならないだろうし、それは困難なものだ。今年から、みんなにとっても新しいステージがかなり増えたと思う」
ローブがアクロポリスを制したのは2005年、2008年、2012年だが、以降はWRC屈指のタフなグラベルイベントに参戦したことはない。アクロポリスは昨年、8年ぶりにWRCカレンダーに復帰した。アクロポリスと言えば石の多いステージでおなじみだが、昨年のイベントは予想を覆してかなりスムースだった。これが、ローブが今季4度目のWRC参戦に至った要素になった。
「素晴らしいグラベルラリーでいつも楽しんでいたので、ギリシャに出ることを選んだ。今はコンディションがよくなり、前回出た時ほどラフではないようだからね」と付け加えたローブは今季はモンテカルロの後、ポルトガル、ケニアでの参戦は厳しい内容となっている。ラリー1マシンでの経験は限定的だが、アクロポリスへの参戦はこれまでに11回を数えている。
「このイベントにはいい思い出もあれば、もっと痛い思い出もある」とローブは振り返る。
「例えば、自分にとっての最大のクラッシュはギリシャで起きた。タイヤチョイスでミスをしたこともあった。嵐が来ると予想してソフトを選んだのに、走ってみたら気温40度だった」
「今回の参戦でのターゲットを具体的に掲げるのは難しい。ベストの準備を進めて、ケニアやポルトガルの時のようにリズムをつかむことができたらいいなと思う。できれば、ミスやトラブルのない展開で、もっといい内容にした。それが一番の目標だ」
今回のアクロポリスには合計70台がエントリーしており、WRC2には35台が並ぶ。選手権リーダーのアンドレアス・ミケルセン、フィンランドを制したエミル・リンドホルムのほか、ヨアン・ロッセル、テーム・スニネン、ニコライ・グリアジン、マルコ・ブラシアが名を連ねている。
またこのアクロポリスはフォード・フィエスタ・ラリー3のワンメイクで戦われる今季のジュニアWRC最終戦となり、選手権リーダーのサミ・パヤリを筆頭にレギュラードライバー6人全員がエントリーしている。