WRCでトヨタのチーム代表を務めるヤリ‐マティ・ラトバラが、8月12〜13日にフィンランドで開催されたラハティ・ヒストリックラリーに自身が所有するトヨタ・セリカGT-FOURで参戦、優勝を飾った。
時間が許す限り自分でもドライバー活動を続けているラトバラは、WRCフィンランドが開催された翌週にこのイベントに参戦。長年の友人で元トヨタのワークスドライバーであり現在もチームで活動しているユホ・ハンニネンをコ・ドライバーに迎えた。
このイベントには、今季のジュニアWRCでシリーズ首位に立っているフィンランドの若手、サミ・パヤリもグループ4スペックのフォード・エスコートRS1800で参戦。1981年にアリ・バタネンがこのマシンで世界タイトルを獲得した時にはまだ生まれてもいなかった20歳のパヤリと、ヒストリックカーラリーの参戦経験も豊富なラトバラとの対決が注目された。
「ラハティは地元のラリーのようなもので、どのステージも自宅からすごく近い。このラリーをグループ4のエスコートで走れるなんて、夢のようだよ」と語るパヤリだが、ターボエンジンを搭載しパワーで上まわる4WDマシンで参戦するラトバラはラリー前には「サミよりも速いマシンなのは分かっているので、プレッシャーをかけるよ!」と、冗談をまじえたコメントもするなど、イベントをおおいに満喫したようだ。
「先週はWRCフィンランドのステージを走ることはなかったが、あの雰囲気を見たら純粋に自分も走りたいという気分になったよ。時には仕事を離れて、マシンに乗ってドライビングを楽しむのもいいもの。これでモチベーションが高まるし、エネルギーも与えてもらえるんだ」
イベントは、ラトバラが初日にトランスミッションのトラブルに見舞われながらも1時間15分57秒4で優勝、パヤリは3分31秒8差の3位フィニッシュとなり、新旧WRCドライバー対決はラトバラに軍配が上がった。