WRCベルギー:ヌービル「雨が降れば自分にもみんなにもトリッキー」イベント前記者会見 – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCベルギー:ヌービル「雨が降れば自分にもみんなにもトリッキー」イベント前記者会見

©Hyundai Motorsport GmbH

WRCイープル・ラリーベルギー、シェイクダウン前に行われたイベント前カンファレンスの内容(抜粋)。昨年の勝者として母国ラリーを迎え注目を集めるヒョンデのティエリー・ヌービル。実家はイープルから300kmも離れているためそれほどのアドバンテージはなく、懸念されている雨が降ればライバルと同じように自分にも苦難になることを強調した。

●WRCプレイベントカンファレンス出席者
ティエリー・ヌービル=TN(ヒョンデ・シェル・モビスWRT)
アドリアン・フルモー=AF(Mスポーツ・フォードWRT)
ガス・グリーンスミス=GG(Mスポーツ・フォードWRT)
エルフィン・エバンス=EE(トヨタ・ガズーレーシングWRT)

Q:エルフィン、イープルラリーはタフなチャレンジで、昨年もそれは明らかだった。明日の午前は少し雨も降りそうだ。フィランド同様、このイベントも自信が鍵になると思うが、今回の週末に向けて自信はどのような感じか
EE:新しくノートを作ったところが多いし、特に雨が降りそうなのでグリップ変化は鍵になると思う。道もダーティになるので、このようなラリーでは自信を持って臨むのは大変だ。もちろん、自分たちのやるべきことに集中し、できる限りのベストを尽くす。この先に向けてどれだけ自信を持てているか、分かる人は少ないと思う。

Toyota Gazoo Racing WRT

Q:今季、前回のターマックラリーはクロアチアだった。そこから、マシンはどれくらい変わっているか
EE:ターマックの開発を行う時間がそれほど多くなかったことは言うまでもない。イベント以外の日にテストを行うチャンスはないと言ってもいいくらい。この点では開発はそれほど進んでいない。もちろん、ラリーではそれぞれに違うことが求められる。多少の変更は行ったが、大きなものはない。

Q:このイベントを11回勝っているフレディ・ロイクスは、今回のルートの70%は新しいと言っていた。今年はノートが新しくなっている部分が多いのか
EE:かなり多いね。もちろん、30%かそれくらいは昨年のものを使える。ハッキリとした数字は分からないが、そうだね、ノートが新しくなったところは多いよ。

Q:走行方向が逆になったり新しいセクションもあるが、レッキでステージを走った感じでは、新しいルートについてどう思ったか。昨年よりもチャレンジングか? カットできる場所は増えているか
EE:ほとんどは同じような性格だと思う。逆走になったステージが多い。だから、ステージは同じだけどノートは新しくなるし、カットも何もかも、あらためて確認しなくてはならない。

Q:最後に、選手権争いではカッレのタイトル確定がいつになるかという状況になっている。自分の選手権争いでの今の順位について、シーズンを終えた時点でどこまで達成できると感じているか
EE:正直、自分たち的にはここ数戦、同じような状況が続いている。カッレは、上位争いでは手が付けられない強さを見せているし、彼がタイトルを逃すとすれば、終盤に参戦できなくなるほどの不運に見舞われるくらいだ。だから、自分たちとして現実的なのは、ベストを尽くして、できる限り上位でシーズンを終えること。そしてもちろん、チームのマニュファクチャラーズタイトル獲得のために、自分たちが最善を尽くすことだ。

Q:Mスポーツは、ふたりにとって今回がホームイベント同然だと話している。ガスにとって選手権で一番地元に近いイベントで、アドリアンの実家もここからそう離れていない。まずアドリアン、今季は難しい滑り出しになり、ラリーごとに違うモード、違う戦略で臨み、少し速さを抑えることもあった。どれくらいフラストレーションがたまっているか。チームは再び、君に託して自分の仕事をさせる準備があるのだろうか
AF:何度かラリーを重ねていく中で自信をつけ、この先のラリーで反撃したいね。今回はすごくトリッキーなラリーなので、それができるかどうかは分からない。雨が降れば、めちゃくちゃトリッキーになるからね。シーズンの序盤は苦労していたと思うが、課題をこなしているよ。

M-SPORT

Q:今回のイベントについて、昨年はあまりうまく行かなかった。今年のルートはどうか。変更された部分についてどう考えるか。今回も難易度は同じくらいなのか
AF:いや、今年はいわゆるイープルラリーという感じで、泥やカットが多く、本当にトリッキーなコンディションになると思う。昨年は、ずっとドライだったので、例年よりも楽だったかもしれない。今年はもっとトリッキーになりそうだ。だから、それに対応しなくてはならない。時速180kmのストレートからタイトコーナーに入る時に、ブレーキングポイントを判断するのは簡単なことじゃない。マシンが通過するたびに泥が道に掻き出されるし、タイヤをクールダウンさせるのも難しくなる。

Q:今回はビッグプッシュはしないということだが、今回の目標は
AF:このコンディションでは、コーナーでプッシュするにはミスの危険も伴う。自分のアプローチとしては、あまりリスクを負いすぎずに速く走ること。ミスをしやすいからね。

Q:グリーンスミス、あなたの今回のアプローチは
GG:どれくらい雨が降るかによると思う。もし多ければ、(出走順が後ろの)自分やアドリアンにとっては、泥の道を走るようなものになるからね。ティエリーが走る時とはかなり状況が変わっていると思う。どのようになるか見てみないと。雨が少ない方が自分たちにとってはいい。でも、明日は間違いなく降りそうだね。

M-SPORT

Q:今の時点ではどれくらい降るかは分からないね。昨年、この道がどんな感じか経験を積んだと思うが、今回はだいぶ変更されている。今年のルートで、あのステージは厳しそうとか、全体的に厳しいチャレンジになるなとか、印象はあるか
GG:全体的に、シンプルにタフなチャレンジになると思う。ステージの中でグリップ量が変化するからね。明日の2本目は、間違いなく“超トリッキー”になる。ターマックが荒れているところがたくさんあって、舗装の破片がたくさんあるのでパンクのリスクが高い。加えてカットが大きく、雨が降ればビッグチャレンジになる。土曜日は走行距離が長く、たぶんもっといいステージだ。日曜日は、ウエットになるとパワーステージの丘の上の石畳がトリッキーになるだろう。

Q:前回のフィンランドでは心からラリーをエンジョイしていて、ドライブする喜びを少し取り戻したようだ。今回もその流れを引き継げるか
GG:それが今回のプラン。テストの終盤は、マシンのフィーリングがよくなったから、シェイクダウンを楽しみにしている。

Q:テストでは何kmくらい走り込んだのか
GG:そう多くはない。

Q:多くないというのは何kmくらい
GG:60くらいだと思う。小さなトラブルがあった。

Q:どんなトラブル?
GG:思うような走りができていなかった。

Q:ティエリー、昨年の優勝は感動的なシーンだった。今年もあのマジックを再現できるか
TN:いまその答えがあるとしたら、もっとリラックスできるんだけどね! もちろん、それがターゲットだ。このイベントに関しては経験が豊富だ。今年は自分にとっても新しい道があるが、それでも感覚的にはつかめている。レッキでは、うまくペースノートを作れた。楽しみにしているが、昨年よりもタフなチャレンジになりそうだ。ライバルたちはみんな昨年、イープルらしい道の経験を積んだ。その経験を活かして、今年はみんなもっといいプリペアができていると思う。みんな、昨年よりも勢いよく滑り出すだろう。雨が降れば、みんなにも自分にとってもトリッキーになる。

Q:前戦ではタナックが勝ったが、彼は最初のコーナーからリスクを負ってリードを守り切った。今回、勝つために大きなリスクを負うつもりでいるか
TN:ちょうど「地元では度胸を見せろ」キャンペーンを始めたところだよ! だから、もちろん勇気を持って攻める以外、選択肢はないね。マシンを道の上に留めて、ラリーのフィニッシュを目指すのはいつものこと。勇気を持ってハードに攻めて状況をコントロールし続けること。そのいいバランスをつかむことができれば、最高の組み合わせだ。でも、ライバルがどれくらい度胸を持って攻めてくるかは、だれにも分からない。今回、僕らに勝とうと狙ってくるドライバーは何人かいると思う。フィンランドではオィットがライバルを制することができたように、彼らは今回も間違いなく強い走りをしてくるつもりだ。エルフィンもターマックでは速さを見せていると思う。カッレはもう失うものがないので、彼も攻められる。オィットは昨年、素晴らしい速さを見せた。少なくとも、僕たち4人は争いに絡んで来ると思うし、フォード勢もここでは経験が豊富なので、速さを見せるはずだ。

Q:今年は、チームが苦戦していることは疑いようがない。今季は、まだ君に勝利がない。昨年のこの時も同じだったが、もっと勝っていると予想していた。フィンランドでチームが勝ったことで、開発の点では曲がり角を越えて、これからよくなっていくと思うか
TN:分からないね。サルディニアでも勝っているが、この時は言うまでもなく走行順が影響したことを考慮しなくてはならない。フィンランドでは、おそらくオィットは脳のスイッチを切って、死ぬほど攻めてそれが結果につながったのだろう。オンボード動画を見れば、ステージを通してマシンと格闘していたことが分かる。最後までそれを続け、素晴らしい勝利を収めた。今回、自分はもう少し落ち着いたドライブで、彼のようなマシンとの格闘が少ないことを願うよ。テストをしてみて、自分でも感じた疑問だ。もちろん、クロアチアから比べればターマックに関しては少し前進している。思ったような大きな前進ではないが、このラリーでも走りやすくなったはずだ。まだシェイクダウンが残っている。7kmもある素晴らしいコースなので、セッティングを確定する絶好の機会になる。

Q:みんなに、ハイブリッドシステムについての質問。このイベントはストレートが長いので、他のイベントよりもハイブリッドシステムが本領を発揮するイベントで、ドライバーたちがそれを活用できるのではと話題になっている。エルフィン、どう思うか
EE:ある程度はね。でも、なるようにしかならない。最終的には、使いたい時と使いたくない時をスイッチでコントロールできるわけではない。自分たちが思い切りコントロールできる範囲は、それほど多くない。もちろん、ブーストを発生させるためには回生させなくてはならない。ロングブレーキの時は、ブーストが発生しがちだ。だから、ブーストは使えるが、全開セクションが1kmあったとしても、回生する選択肢はない。だから、ここは鍵になるが、自分たちがどうにかできることは多くない。

Q:こうしたことはノートに書いてあるのか。ステージの中で、よりブーストが稼げる場所というのはあるのか。ガス、モンテで君がやっていたように
GG:あれは、クリス(パターソン)が久しぶりにマシンに乗ったので、テストで何回叫んだか、その回数だったと思うよ。特にハイブリッドのパワーをフルに発揮した時のジャンクションの立ち上がりは、乗っていて衝撃的だったそうだから。だいたいは、エルフィンが話したことと同じだ。

Q:アドリアン、何か追加することは
AF:No. ロングブレーキの時にはあると思うが、全開で走るロングストレートの時は、最初しかかからないと思う。

Q:ティリー、今年、ハイブリッドシステムの経験はどうか。今の使い心地には満足か
TN:何よりもまず、今回は母国ラリーだから、いつもよりもブーストを使えるよ!

Q:そんなこと規定には書いてなかったが、小さい文字で印刷されていたのかな!
TN:これまでの経験は、かなりいい。昨日も言ったが、昨年ハイブリッドについて話題になり始めた時、自分たちが持っているハイブリッドシステムの情報は、実際に使うことができるよりもすごく少なかった。あの頃は、自分たちのドライビングが犠牲になって、もっと難しくなるのではと不安だった。でも、最終的には、どんなセッティングができるかやプログラミングによって、マシンが危険になったり走らせるのが難しくなるのではなく、ドライビングやマシンのパフォーマンスの助けになるということを学んだ。これはいいことだし、だからこそ自分たちも好きなのだと思う。何にせよ、マシンは速くなった。まだ、そのやり方がぎこちないところはあるが、慣れてきたよ。

記者席からの質問
ボー・クリステル・ボフェル(Worldrally.se、スウェーデン)
Q:ティエリー、この国のことも、道も、変わりやすい天気のことも分かっている。タイヤ選択もラクにいくのでは

TN:正直、みんなよりもラクにできるとは思わない。実を言えば、アドリアンもイープルの近くに住んでいる。前にも言ったけど、自分の地元はここから300kmも離れている。たぶん、自分よりガスの方が近いんじゃないかな! 通常、天気はイングランドの方から変わってくるから、彼の方が天気のことを知っているはずだよ。同じ雨でも、彼はずぶ濡れで、僕らは小雨だったりするからね。だから、そこが今回の難しいところになるかもしれない。ある場所はウエットで、別のところはドライのままで、ということになれば複雑になるからね。



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