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WRCベルギー:競技初日を終え、ヒョンデのティエリー・ヌービルがリード。勝田はトラブルで18番手

©HYUNDAI

2022年のWRC第9戦ベルギーは競技の初日のSS8までを終えて、ヒョンデのティエリー・ヌービルが首位につける。2.5秒の僅差でチームメイトのオィット・タナックが続き、3番手にはトヨタのエルフィン・エバンス、4番手に同じくトヨタのエサペッカ・ラッピというオーダーになっている。勝田はSS3で発生したギヤボックストラブルの影響で大きくタイムロスを喫しており、4分55秒3遅れの18番手となっている。

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この日行われたのは、SS1〜SS8の計9SS、SS距離97.02km。サービスを挟んで4SSを2度ずつ走行する構成で、ハイスピードな農道とタイトターンが組み合わせられたコースを主軸に、セクションによっては森の中のワインディングも走行する。雨はところどころで強く降る場面もあったが、午後はほとんどドライとなり、選手たちにとってはタイヤチョイスが難しいなかでの戦いとなった。オープニングステージのSS1を制したのは、カッレ・ロバンペラ。SS2番手タイムにエバンス、3番手にタナックを従えて、好発進を決めた。ところが続くSS2、ロバンペラは中盤のコーナーを曲がり切れずにコースオフ、ディッチにはね上げられて横転してしまった。クルーふたりにケガはなかったものの、競技続行は不可能に。チームはマシンを修復し、翌日の復帰を目指す。これで総合2番手につけていたエバンスが繰り上がり、ラリーリーダーの座についた。このSSではヌービルがベストタイムをマーク。総合3番手に浮上している。

続くSS3を制したのはタナック。0.1秒差のSS2番手にヌービルがつけ、総合首位を走るエバンスとの差をじわじわと詰めにかかる。このSSでは、勝田貴元にトラブルが襲いかかった。ステージ終盤、勝田のGRヤリス・ラリー1はトランスミッショントラブルに見舞われ、駆動がかからない状態に。残り数百mをEVモードで走り切ったが、このSSをベストでまとめたタナックから1分23秒4秒遅れと、序盤で大きなビハインドを背負ってしまうこととなった。午前中最後のSS4は、エバンスが一番時計。数秒ながら、追いすがるヒョンデ勢との差を再び広げている。

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しかしSS5では、そのヒョンデ勢ふたりが同タイムでベスト。エバンスはふたりから1.2秒差のSS3番手に。続くSS6のベストタイムはヌービル。SS2番手にエバンス、SS3番手にタナック。総合順位に変動はないものの、僅差での戦いが続き、上位争いは初日から熱を帯びている。このSS終盤でエバンスのタイヤはスローパンクチャーを喫してしまい、残る2SSは、手持ちのレインタイヤ2本を装着して臨まなければならない。SS7ではヌービルが3連続となるベストタイムをマークし、一気にラリーリーダーへと躍り出ることに成功した。エバンスはタナックにもかわされ、総合3番手にドロップ。ヌービルはこの日最後のSS8も制する速さを見せ、首位で地元ラリーの初日をまとめることとなった。反撃の糸口をつかみたいエバンスだったが、最終SSスタートへの遅着で10秒のペナルティを課されており、最終的に首位ヌービルと13.7秒差の総合3番手に甘んじることとなった。

これでトップ3はヌービル、2.5秒差で2番手にタナック、3番手にエバンスという順に。エバンスと4番手のラッピは23.6秒離れている。勝田は昼のサービスでマシンを修復、午後のSSではターマックラリーでの経験を積むことに集中している。また、日本からシュコダ・ファビア・ラリー2 Evoで参戦している福永修/齊田美早子は総合46番手、WRC2マスターズの4番手につけている。

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競技2日目はSS9〜SS16の計8SS、SS距離133.22kmが行われる。間にサービスを挟んで4SSを2度走行する構成は初日と同様だ。オープニングのSS9は日本時間20日(土)の17時13分スタート。

WRCベルギー SS9後暫定結果
1. T.ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1) 49:50.4
2. O.タナック(ヒョンデi20 Nラリー1) +2.5
3. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +13.7
4. E.ラッピ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +37.3
5. C.ブリーン(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +56.1
6. G.グリーンスミス(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +1:34.5
7. O.ソルベルグ(ヒョンデi20 Nラリー1) +2:01.2
8. A.フルモー(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +2:09.5
9. S.ルフェーブル(シトロエンC3ラリー2) +3:41.4
10. A.ミケルセン(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +3:56.9



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