8月21日にフィニッシュを迎えたWRC第9戦イープル・ラリーベルギー(ターマック)では、2021年のF1チャンピオン、マックス・フェルスタッペンの父、ヨス・フェルスタッペンがWRCデビューを飾った。
ヨス自身も1990年代から2000年代序盤にかけてF1を8シーズン戦い、2003年にF1から引退している。2008年、2009年にはル・マン24時間に参戦した後、今年の初めからDGスポーツがプリペアするシトロエンC3ラリー2でラリーに挑戦している。
オランダ人のフェルスタッペンは、ベルギーの国内選手権で好ペースを披露してきたが、初めてのWRCとなる今回のベルギーは、自身5度目のラリー参戦となった。
「自分はいつもラリーを観るのを楽しんできた」とフェルスタッペン。
「テレビやWRCアプリで観るラリーは、いつもすごく豪快だ。初めてラリーカーで走ったのは、たぶん1年半くらい前。もちろん、それからもっともっと乗りたくなった。それで、DGスポーツのラリー2マシンでイベントに参戦するようになり、イープル参戦が実現したんだ。大きなステップだが、ラリーを楽しんでいるし、今回は学ぶために来た。自分は50歳だが、まだまだ学ぶことは多いし経験も必要だ」
サーキットレースとラリーとの大きな違いについてフェルスタッペンは、コ・ドライバーがいることとペースノートを理解すること、と話す。今回は、ハーム・バン・コッペンがフェルスタッペンの相棒を務めた。
「誰かが自分に話しかける、ということを学ぶのが大変だった」とフェルスタッペンは笑う。
「シングルシーターの時には、レース中にエンジニアが話しかけてくるのが好きではなかった。でも、今はずっと話しかけてくるんだからね! それに慣れなくてはいけなかった。最初は、何がどうなっているのか、どうすればいいのか、理解するのに本当に苦労した。ラリーはずっと忙しいし、速く走らなくてもならない。常に誰かに話しかけられていると最初は気が散ることもあったが、自分のするべきことに集中しなくてはならない。今は少し慣れたし、走行を重ねるごとに学び、それができるようになると思う」
息子のマックスがラリーステージに登場する日は、近い将来にはなさそうだ。しかし、ヨス自身は、今後、WRCに参戦する可能性について否定はしなかった。
「マックスは自分とトラックデイに来てすごく楽しんでいたが、今は忙しすぎる。もちろん、彼は毎日電話をかけてきて、僕の様子を聞いてくるよ」
今回のベルギーで、フェルスタッペン父は初日を総合25位で走り終えたが、土曜日午後最初のステージでスライドしてディッチにコースオフと、WRCベルギーの手痛い洗礼を浴びた。しかし、最終日には再スタートして、総合60位、RC2クラス28位でのフィニッシュを果たした。
「ステージの知識が少ないことは影響したが、だからこそ今回、このラリーに参戦して経験を積んだ。イープルに参戦するのは、自分もコ・ドライバーも初めてだったからね」とフェルスタッペン。
「どれくらい難しくなるのかは承知していたし、土曜日は驚かされもした。あのデイリタイアは残念だったし、それがなければいい順位につけていただろう。でも、最終日に走れてうれしかったし、結果にも満足。学んだことがたくさんあったし、フィニッシュできたことを心から誇りに思うよ」