TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、9月8日(木)から11日(日)にかけてギリシャのラミアを拠点に開催される2022年WRC第10戦アクロポリス・ラリーギリシャ(グラベル)に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルムの3クルーをGRヤリス・ラリー1でエントリー。昨年はロバンペラが制したこのイベントでの2年連続優勝を目指す。また、勝田貴元はTOYOTA GAZOO Racing WRT Next Generationからアーロン・ジョンストンと組んで4台目のGRヤリス・ラリー1で挑む。
(以下チームリリース)
伝統のラフグラベルラリーで
2年連続優勝を目指す
TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamは、9月8日(木)から11日(日)にかけてギリシャで開催される、FIA世界ラリー選手権(WRC)第10戦「アクロポリス・ラリー・ギリシャ」に、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(GR YARIS Rally1 HYBRID 33号車)、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(69号車)、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム組(4号車)の、3台のGR YARIS Rally1 HYBRIDで参戦。昨年WRCのカレンダーに復帰した伝統のグラベル(未舗装路)ラリーで、大会二連覇を目指します。
アクロポリス・ラリー・ギリシャは1951年に初めて開催され、WRC創設初年度の1973年からシリーズの一戦に含まれていた伝統あるラリーです。山岳地帯の荒れた未舗装路を舞台とする、耐久色の強いラリーとして高い人気を誇っていました。2013年大会を最後にWRCとしては開催されていませんでしたが、昨年8年ぶりにシリーズに復帰しました。
過去のアクロポリス・ラリー・ギリシャのステージは全体的に非常に荒れており、大きな石が多く転がり、高い気温の中での戦いとなることが多かったため、クルマに厳しいラリーとして知られていました。しかし、路面は年々良くなり、昨年は道路補修によってコンディションが大きく改善されたため、耐久性だけでなく、純粋なパフォーマンスも求められるラリーになりました。また、昨年はこのラリーとしては珍しくウェット路面のステージが多くあり、例年とは大きく異なるコンディションでの戦いになりました。そのような状況で、初出場のロバンペラはデイ2でトップに立ち、WRCにおけるキャリア2勝目を飾りました。
今シーズン、5戦で優勝しドライバー選手権をリードしているロバンペラは、2位のライバルに72ポイント差を築いています。アクロポリス・ラリー・ギリシャも含めて、今シーズン残るラリーは4戦。今回ロバンペラが表彰台を獲得した場合、ライバルの結果次第では初タイトルが決定する可能性もあります。エバンスは、前戦イープル・ラリー・ベルギーで今季4回目の2位表彰台を獲得し、ドライバー選手権3位につけています。また、イープル・ラリー・ベルギーを今季3回目となる総合3位でフィニッシュしたラッピは、WRC開催ではなかった2014年の大会以来、久しぶりのアクロポリス・ラリー・ギリシャ出場となります。なお、今季全てのラリーでポイントを獲得しているTOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの勝田貴元は、今回もTOYOTA GAZOO Racing World Rally Team Next Generationから、GR YARIS Rally1 HYBRIDで出場します。
ラリーは、8日木曜日の夕方に首都アテネのオリンピック・スタジアムで行われるスーパーSSで競技がスタートします。翌日の9日金曜日からグラベルステージでの本格的な戦いが始まり、アテネの西側に位置するビーチリゾート「ルートラキ」を起点にデイ2として6本のステージを走行。デイ2は日中のミッドデイサービスが設定されず、タイヤフィッティングゾーンでのタイヤ交換および簡易整備作業のみで全ステージを走ります。また、1本のステージを2回走るのはSS2/4「ルートラキ」のみとなり、金曜日の出走順が一番手のロバンペラにとっては厳しい一日になることが予想されます。選手達は各ステージを走りながら北上し、ラミアのサービスパークで一日を終えます。10日土曜日のデイ3は、ラミアのサービスパークを中心に、3本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。6本のステージの合計距離は147.98kmと、4日間で最長となります。最終日となる11日の日曜日のデイ4は、3本のステージを走行。そのうちSS14の再走で最終ステージとなるSS16「エレフテロホリ2」は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」に指定されています。ステージは全部で16本、合計303.30km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1189.42kmとなります。
ヤリ-マティ・ラトバラ (チーム代表)
直近の2戦は優勝まであと一歩でしたので、ギリシャではどうしても勝ちたいと思っています。とはいえ、非常に過酷なラリーなので、簡単ではないことは分かっています。アクロポリスのような伝説的なラリーが、昨年WRCのカレンダーに復帰したのは素晴らしいことです。路面は昔ほどは荒れていませんでしたが、それはつまり、信頼性だけでなく、パフォーマンスの高さも求められるようになったということです。昨年は、このラリーとしては珍しく雨に見舞われ、カッレは難しいコンディションを乗り越えて優勝を飾りました。今年は金曜日のステージの出走順がトップであることに加え、金曜日は1回しか走らないステージが多いので、カッレが昨年と同じような結果を出すのは難しいでしょう。それでも、今年の彼はそのような難しい状況にも上手く対処できています。エルフィンとエサペッカは最近とても調子が良いので、ギリシャでも好調が保たれることを期待しています。
エルフィン・エバンス
アクロポリス・ラリーを楽しみにしています。エストニアとフィンランドはハイスピードなラリーでしたが、ギリシャは同じグラベルラリーではあっても全く異なるチャレンジになるでしょう。今季ヨーロッパで最後に行われたラフグラベルラリーのサルディニアでは、結果こそ伴いませんでしたが、クルマのフィーリングは良く、速さもありました。まだまだ改善できることはありますが、以前のいい感覚を取り戻し、次のギリシャではまた一歩前進できるように頑張りたいと思います。通常、アクロポリスは暑くタフなラリーになることが多いですが、昨年は雨が降りました。ですので、今年どのような天候になるのかは分かりません。
カッレ・ロバンペラ
前戦のベルギーは困難な週末になってしまったので、ギリシャでは自分たちの本来のレベルに戻り、良いラリーを戦いたいと思います。チャンピオンシップは、それが完全に決まるまでは終りではないので、あまり意識することはないですし、各イベントで可能な限り多くのポイントを獲得し、自分たちができることをするのみです。昨年のギリシャでは非常にいい結果を残すことができましたが、今回は天候次第でしょう。もしコンディションがドライなら、金曜日に出走順トップで走行するのはかなり大変です。ただし、自分の直後に走行するライバル達も決して簡単ではないので、置かれた状況の中で最善を尽くしたいと思います。
エサペッカ・ラッピ
ギリシャは、自分達にとっては知らないラリーのようなものです。ヨーロッパ・ラリー選手権として開催された2014年に一度走ったことがありますが、その時はステージの半分が舗装路だったので、きっと今回は新しい発見が多くあるはずです。とはいえ、前戦のベルギーも8年ぶりの出場だったにも関わらず、表彰台に立つことができたので、今回も同様の展開になることを期待しています。荒れた路面のサルディニアでは速さがありましたし、フィーリングも良かったので、今回のギリシャでも同じように戦えることを願っています。