世界ラリークロス選手権は9月3〜4日、ラトビア・リガのビケルニエキサーキットでダブルヘッダーとして開催。3日は、今季2度目となるファイナルレースが行われ、開幕戦を制したヨハン・クリストファーソン(フォルクスワーゲンRX1e)がここでも勝利。 スピード感あふれる走りでファンを魅了した。
熱狂的なラトビアのファンの前で行われた世界RX第2戦は、フル電動化となって2戦目。王者の反撃、衝撃的な無差別級アクション、将来のスタートの出現など数々のドラマが生まれた。
スーパーポールでは、ティミー・ハンセン(プジョー208 RX1e)をわずか0.001秒上回ってトップタイムをマークしたクリストファーソンは、ヒート1でもトップタイムをマークしたが、ヒート2ではニクラス・グロンホルム(PWR RX1e)と激戦になり、5番手タイムに沈む。この結果、中間リザルトではケビン・ハンセン(208 RX1e)がトップに立った。
ティミーの弟、ケビンは、セミファイナルのレース1でも、クリストファーソンのチームメイト、オーレ・クリスチャン・ベイビーをわずかに抑えてトップフィニッシュ。しかし、レース2では、クリストファーソンが反撃を見せ、ティミー、クリストファーソン・モータースポーツが走らせる3台目のフォルクスワーゲンを駆るグスタフ・ベルグストロームを抑えてトップに躍り出た。
このセミファイナルでの勝利についてクリストファーソンは「ラッキー」と語ったが、ファイナルでもその幸運に恵まれた。今回も第1コーナーでは首位に立たず、ポールシッターのケビン・ハンセンに続いて最初のコーナーに進入すると、このふたりは、後続のベイビー、ティミー・ハンセンを引き離した。
最初の2ラップはケビンの後を追ったクリストファーソンはここでジョーカーラップを選択。ケビンは次のラップでジョーカーに入りクリストファーソンを先行することを試みたが、クリストファーソンが本来の速さで押さえ込みキャリア29回目となる勝利を飾った。
「スーパーポールで勝った後は、今日はほとんど反撃していたような気分だったから、それをやり切ることができて本当によかった」と語るクリストファーソンは、選手権争いではティミー・ハンセンとの差を11ポイント差に広げた。
「その点では、タフな1日だったし、イベントに向けてしっかりプリペアしてくれたチームに心から感謝したい。マシンのフィーリングは最初からよかったし、素晴らしい仕事をしてくれたチームメイトにも感謝している」
「ファイナルでは序盤はタイヤをセーブして必要な時のために取っておいた。ここでは1周で勝負が決まると思っていたからね。幸いこの戦略が吉と出て、この週末で一番のラップができた。いつもならここでお祝いするところだけど、今回はもう一戦残っているので集中を維持しなくてはならない。明日、お祝いができることを祈るよ」
3週間前のノルウェーでの開幕戦ではファイナル進出を逃し残念なシーズンの滑り出しを喫したケビン・ハンセンは、2位でフィニッシュと見事な挽回を果たした。兄のティミーも僅差の3位でフィニッシュし、ハンセンWRXチームがダブルポディウムを達成した。
ベイビーは、開幕戦でのポディウムに続き4位フィニッシュ。ベルグストロームは、初めてのフィニッシュ進出を果たした。19歳の若手ベルグストロームは、プログレッションレースではグロンホルムを終始プッシュする衝撃の走りを披露。セミファイナルのレース2では、スタートでクリストファーソンとティミーを抜き去ると、経験不足をものともせずジョーカー戦略で抜かれるまでレースをリードするなど大会をおおいに盛り上げた。
一方、CEディーラーチームは厳しい1日となり、グロンホルムはセミファイナルでステアリングアームの破損によりリタイア。開幕戦ではファイナルに進出したクララ・アンダーソンは、今回はペースをつかむことができなかった。
4日はリガでの2戦目が行われ、現地時間9時35分から世界RX部門のスーパーポールが始まる。
世界RXリガ・1ファイナル結果
1 J.クリストファーソン(フォルクスワーゲンRX1e) 4:10.054
2 K.ハンセン(プジョー208 RX1e) +2.082
3 T.ハンセン(プジョー208 RX1e) +2.748
4 O.C.ベイビー(フォルクスワーゲンRX1e) +3.400
5 G.ベルグストローム(フォルクスワーゲンRX1e) +7.403