世界ラリークロス選手権は9月4日、ラトビア・リガのビケルニエキサーキットでダブルヘッダーの2戦目が行われた。ファイナルでは、前日も勝利を飾ったヨハン・クリストファーソン(フォルクスワーゲンRX1e)が2日連続で優勝。開幕戦から3連勝を達成した。またチームメイトのオーレ・クリスチャン・ベイビーも3位でフィニッシュし、前日はハンセンWRXチームが果たしたダブルポディウムをやり返した。クリストファーソン・モータースポーツは、チームズ選手権でのリードを16ポイントに広げている。
1ラップで行われるスーパーポールセッションで2番手のティミー・ハンセンに100分の1秒以下差でトップタイムをマークと、前日とまったく同じ展開となったクリストファーソンは、この日は続くヒート1でもトップタイムをマーク。ヒート2ではわずかにケビン・ハンセン(プジョー208 RX1e)に届かなかったが、中間リザルトでは首位に立った。
プログレッションレースも制したクリストファーソンは、セミファイナル、ファイナルでのスタート順の位置選択では、路面が乾いている中で戦術をフルに発揮した。セミファイナルでは、中盤の3番手グリッドからスタートすると、鮮やかにレースをコントロールし、2番手フィニッシュのティミー・ハンセン(208 RX1e)に5秒差以上の大差をつけてフィニッシュ。ファイナルでは、グリッド2番手を選んだが、ここではやや苦しい局面を迎えた。
第1コーナーでティミーとわずかに接触したことで、グリッド5番手のケビンがアウト側から回り込んで首位に立つ。しかし、開幕ラップでティミーがジョーカーに入ったことで前方がクリアになったクリストファーソンは、ここから追撃に入った。全5ラップの4周目でケビンがジョーカーに入ったことで、前日同様、残り1周での勝負に。この最終ラップで入ったジョーカーを抜けてトップを守り切ったクリストファーソンは、わずか0.3秒以下差でキャリア30回目の世界RX勝利をマークした。
「素晴らしい週末になった!」と語る33歳のクリストファーソンは、ラトビアでの優勝はこれが6度目。
「ダブルヘッダーはいずれにしても過酷だが、この週末は天気が変わりやすかったので特に大変だった。最初はウエットでの走りに対応しなくてはならなかったし、コンディションに合わせて常にセッティングを変更していたので、チームにとっても大きなチャレンジだった」
「このリガでは、ささいなことで勝負が決まる。今回もそれが証明された。ファイナルでのケビンとのバトルはタフだったが、なんとか巻き返して彼を先行するだけのタイムを確保した。それに、オーレ・クリスチャン(ベイビー)も揃ってポディウムに上がることができたのもよかった。素晴らしい仕事でそれぞれの場面で力を発揮するマシンを与えてくれたクルーのみんなに心から感謝したい。このリザルトのために懸命に働いてくれたので、みんなのためにもうれしいよ」
土曜日に続いての2位フィニッシュとなったケビンは、ヒート2のスタートでベイビーと接触したことで最下位スタートとなったものの、素晴らしいリカバリーを見せた。2日連続で2位フィニッシュをマークしたケビンは、ドライバーズ選手権ではティミーと同ポイントの2番手に浮上した。ケビンの兄で2019年チャンピオンのティミーは、ベイビーに0.5秒以下差の4位でのフィニッシュ。そのベイビーは、ビケルニエキのコーナーで見事な速さを披露し、今季2度目のポディウムフィニッシュを飾った。
前日は厳しい展開となっていたCEディーラーチームのニクラス・グロンホルム(PWR RX1e)はこの日はファイナル進出を果たしたが、2.5秒優勝に届かなかった。
世界RXはダブルヘッダーイベントが続く。第4戦、第5戦は9月17〜18日にポルトガルのモンタレグレで行われる。
世界RXリガ・2 ファイナル結果
1 J.クリストファーソン(フォルクスワーゲンRX1e) 4:19.030
2 K.ハンセン(プジョー208 RX1e) +0.285
3 O.C.ベイビー(フォルクスワーゲンRX1e) +1.657
4 T.ハンセン(プジョー208 RX1e) +2.139
5 N.グロンホルム(PWR RX1e) +2.567