激戦のJWRCタイトルに挑むロベルト・ビルベス、ウルモ・アーバは「彼はやるべきことを分かっている」

今週のWRCアクロポリス・ラリーギリシャで今季最終戦を迎えるジュニアWRC。激戦となっているタイトル争いに、エストニアのロベルト・ビルベスが加わる。15年前、同じ状況に直面していたのが同郷のウルモ・アーバだ。

今回のWRCアクロポリスでは、ジュニアWRCはダブルポイントがかかるが、ビルベスはポイント争いでトップに立つサミ・パヤリ、ジョン・アームストロングをわずか1ポイント差で追っており、タイトルの行方はこのラリーの勝負で決まる。

エストニアからは、まだジュニアWRCチャンピオンは誕生していない。現在はWRCラリーエストニアのディレクターを務めるアーバは、自身もこの選手権でトップ争いを繰り広げたドライバーで、2年連続でタイトル目前に迫っていた。2006年はわずか1ポイント差でパトリック・サンデルがタイトルを獲得し、翌2007年は最終戦でアクシデントに見舞われ、再び選手権2位に甘んじることとなった。

近年はビルベスを積極的に支援しているアーバは、この22歳の若手にはアドバイスは必要ないと強調する。
「自分も周りの仲間もロベルトにはずっと注目してきたし、ささやかながら応援してきた」とアーバはWRC.comに語っている。
「彼がエストニアやラリーのためにしていることは、本当に本当に大切なことだと思う。しかし、彼にプレッシャーをかけることはしたくない。彼はまだ若いし、これからたくさんタイトル争いをしていけるが、エストニアという国の規模やスポーツへの投資能力を考えれば、彼の今後のキャリアを支えるためにも、このタイトルを獲得することは本当に重要なことになるだろう」

「自分は彼にアドバイスを与える立場にない。ただのファンだよ」とも語るアーバ。
「何年もドライビングからは離れているし、2009年以来、ラリーカーにも乗っていないので、状況は大きく変わっている。もちろん、折に触れて話し合ってはいるが、一般的な話ばかりだ」

ビルベスは、シーズンを通して参戦資金の確保に苦しんできた。WRCアクロポリスへの期待に関しては冷静に見ているが、ジュニアWRCのタイトル特典であるWRC2への参戦権を獲得できれば、大きな足がかりになることは間違いない。

「ギリシャは誰にとってもラクなラリーにはならない。特に、タイトル決戦だからね」とビルベス。
「もちろん、どんな状況になるかは分からないが、もしタイトルを獲ることができれば、次のステップへの計画が格段にやりやすくなることは確かだ」