昨年のAPRCでシリーズ2位に入った他、プロトン・サトリアネオで2WDカップ、ジュニアカップ、プロダクションカップと三冠を達成した日本でもおなじみのマイケル・ヤング。今季もクスコレーシングのカスタマーとして、スバルWRX STIにマシンをスイッチしてのAPRCフル参戦が決まっている。
そのヤングに、Mスポーツから、同社が主宰するDrive DMACKフォード・フィエスタ・トロフィーへの参戦招待が届いた。フェイスタ・トロフィーはWRCのポルトガル、ポーランド、フィンランド、ドイツ、スペインのヨーロッパ戦5戦で構成され、若手ドライバーの育成を目的としている。
「言うまでもなく大興奮だよ。今年はクスコのスバルWRX STIでの参戦に完全集中していくつもりだけど、スケジュールは重なっていないので、予算の調達に取り組んでいる」とヤング。
招待は受けたものの、緒戦のポルトガル戦が行われる5月までに23万USドル(約2800万円)を集めなくてはならず、現在ヤングはクラウドファンディングを利用して資金調達に奔走しているという。ただし、かなり厳しい状態であることは否めず、2016年の挑戦が現実的とも捉えており、Mスポーツ側ともそれを視野に入れた話し合いを行っているようだ。
「このトロフィーは、様々な路面のイベントで構成されている。去年、WRCドイツ戦を視察した時には、現地の若手サポートにとても感銘を受けた」とヤング。
「もちろん、大きなステップになることは間違いないけど、とにかくまずは資金を集めないことにはね」
一方、ヤングを評価したMスポーツのアンドリュー・ウィートリーは「(Mスポーツ代表の)マルコム・ウィルソンとDMACKは、アジア−パシフィック地域からドライバーを迎えることがシリーズにとってもいい機会になるという考えて一致しており、ニュージーランド出身のマイケル・ヤングにオファーすることを決めた」とコメント。
「昨年はAPRCでシリーズ2位に入っているだけでなく、それを1600ccのマシンで達成したことでも、彼の能力が証明されている。彼がシリーズに参戦できることを期待している」
このフィエスタ・トロフィーはこれまでにもクレイグ・ブリーン、エルフィン・エバンス、ポンタス・ティデマンドなど、多くの若手がワークス支援への道をつなげている。