WRC第11戦ラリーニュージーランド(グラベル)のWRC2は、母国の期待を一身に背負ったヘイデン・パッドン(ヒョンデi20 Nラリー2)が、2分半以上の大差をつけて会心の勝利を飾った。今季からWRC2への参戦を再開したパッドンは、7月のラリーエストニアでは会期中に新型コロナウイルスに感染してリタイアを余儀なくされるなど波乱のシーズンとなっているが、母国でシーズン初勝利を決めた。
イベントアンバサダーを務めるなど母国のWRCカレンダー復帰に向けても尽力してきたパッドンは、スタートからフィニッシュまでリードを守り切った。最終日も4SS中、3本をステージウインで並べ、タイトル争いで高ポイントを狙うカエタン・カエタノビッチ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)に2分33秒1差をつけての勝利を飾った。
「すべてが思いどおりに進んだ」と納得したように語ったパッドンは、10年ぶりの母国でのWRCを長年の相棒であるジョン・ケナードと組んで参戦した。
「期待されていることができたし、自分たちが期待したことでもあった。初日に少しリードを築いてからは、ミスをしてはいけないというプレッシャーがあったので、とにかくクリーンに走り続けることに努めた」
2位でフィニッシュしたカエタノビッチは、このニュージーランドで20ポイントを獲得し、選手権争いではすでに今季の参戦分を消化し終わったアンドレアス・ミケルセンに続く2番手に浮上した。
また、スーパーカー選手権で2回タイトルを獲得しているサーキットレースのスター、シェーン・バン‐ギスベルゲン(ファビアR5)は、カエタノビッチと2位争いを展開。土曜日最後のステージでパンクに見舞われるまでプレッシャーをかけ続けたが、WRC2の強豪カエタノビッチに52秒差という大健闘を見せた。
不安定な天候に見舞われた週末を終えたバン‐ギスベルゲンは「タフだったかって? タフどころか、とにかく楽しかったよ!」と母国でのWRCデビューを満喫したようだ。
オーストラリアチャンピオンのハリー・ベイツは、初めてファビア・ラリー2 Evoにピレリタイヤを履いてのラリー参戦に挑戦。浮き沈みのある展開の中、調整を行いながら、4位でのフィニッシュを果たした。アーミン・クレマー(シトロエンC3ラリー2)は5位でフィニッシュし、WRC2マスターズカップの選手権争いでは首位に浮上している。
WRCニュージーランド WRC2最終結果
1 H.パッドン(ヒョンデi20 Nラリー2) 2:58:05.1
2 K.カエタノビッチ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +2:33.1
3 S.バン‐ギスベルゲン(シュコダ・ファビアR5) +3:25.1
4 H.ベイツ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +6:47.9
5 A.クレマー(シトロエンC3 ラリー2) +10:58.1
6 T.ボーデン(フォード・フィエスタ・ラリー2 MkII) +12:05.6
7 L.アネア(フォード・フィエスタ・ラリー2 MkII) +14:34.6
8 B.ハント(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +16:21.3