トヨタは、セバスチャン・オジエがラリージャパンでのコ・ドライバーとしてバンサン・ランデを起用することを明らかにした。オジエはチームと相談のうえ、将来の協力体制を見据えて、シーズン最終戦に若手有望株のランデに機会を与えることを決定した。また、オジエとTOYOTA GAZOO Racingは成功したシーズンに貴重な貢献を行ったバンジャマン・ベイラスに感謝の意を表するとしている。
過去8度のタイトルをともに獲得したオジエとジュリアン・イングラシアは、自分たちの経験を後進の育成のために伝えていきたいと考えており、TGRチームとしてもその目標を共有している。また、ふたりとも以前からランデのことを知っており、ラリーの最高峰レベルで成功する資質を持っていると確信しているという。
ランデは1991年生まれの31歳。2015年シーズンからピエール‐ルイ・ルーベとのコンビをスタートし、これまでヒョンデやMスポーツ・フォードで参戦してきた。WRC最上位は22年第5戦イタリアと第10戦アクロポリスの4位。いずれもルーベとともにフォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1で獲得したもの。
セバスチャン・オジエ
「まずは今年のラリーで多大な努力を行ってくれたバンジャマンにありがとうという気持ちを伝えたい。スペインでは彼にとって初めての優勝を経験できたことは特別な瞬間だった。チームが3つのタイトルをすべて獲得するという今季の主要な目標を達成したいま、我々はTOYOTA GAZOO Racingにとってホームラリーとなるラリージャパンで最高の結果を残したいと考えている。しかしこの最終戦は、将来に向けての準備と評価を行い、才能があり意欲的な若手であるコ・ドライバーのバンサンにチャンスを与える機会でもある。彼は僕らのグラベルクルーとして一緒に仕事をしてきたので、一緒にラリーに出場できるのを楽しみにしているし、どのような状況になるかを見てみたいと思っている」
バンサン・ランデ
「ラリージャパンでセブとTOYOTA GAZOO Racingチームに協力できることを光栄に思っている。セブとジュリアンはすべてのフランス人ドライバーとコ・ドライバーにとっての模範であるため、素晴らしいチャンスだし、とても誇りに思う。ジュリアンは僕のキャリアを通じて多くのサポートを提供してくれたし、今年のモンテカルロではセブのグラベルクルーを務めることによってすでに一緒に仕事をしたことがある。多くを学ばなくてはならないラリージャパンは大変だと思うが、いつもどおりベストを尽くしてこの機会を最大限に活かしていきたい。最後に、今季一緒に達成した良いリザルトに関してMスポーツ、ピエール‐ルイ・ルーベと彼のスポンサーに御礼を述べたい」
バンジャマン・ベイラス
「今季、セブと一緒にラリーに出場できたことは僕にとって信じられないような経験だった。スペインでWRC優勝を経験できたことは夢の実現であり、TOYOTA GAZOO Racingの成功したシーズンの一員となることができたことも誇りに思っている。多くのプレッシャーがかかり、ラリーウィークに長時間仕事をしなくてはならないので、この役割を果たすことは僕にとって容易ではなかった。ラリージャパンにおいて才能ある若手コ・ドライバーに機会を与えることは完全に理解できるし、全力で支援したい。セブとチームにこれまでの助力とサポートに感謝し、彼らとバンサンにジャパンでの幸運を祈念したい」