米国の国内ラリー選手権、アメリカン・ラリーアソシエーション(ARA)は最終戦レイク・スペリオール・パフォーマンスラリー(グラベル&ターマック)が10月14〜15日にミシガン州で開催され、スバル・モータースポーツUSAのブランドン・セメナック(スバルWRX STI)が優勝。自身初の米国タイトルを獲得した。
ポイント争いでは、9月に開催されたサスケハノックでフーニガン・レーシングディビジョンのケン・ブロック(ヒョンデi20 WRC)に首位を奪われた形で今季の最終戦を迎えたセメナック。このイベントでも序盤6SSではブロックがリードを握り、2番手で追うセメナックに25秒近くの差をつけていた。しかし、SS7の右コーナーでブロックが痛恨のクラッシュ。ブロックは土曜日に再スタートするものと見られていたが、サスペンション、フレームのほかロールケージにも深刻なダメージを負っていたため断念し、ラリーリタイアとなった。
ライバルが戦線離脱したことで、セメナックは2位以上でフィニッシュしパワーステージポイントを獲ればタイトルを手にできる状況となった。しかし、土曜日のステージでは、セメナックのチームメイト、トラビス・パストラーナが激走を披露。セメナックに29.7秒遅れでこの日を迎えたパストラーナはタイトルの望みは失っていたが、常にコンペティティブなペースで攻めるスタイルを崩さず序盤で一気にその座を12.2秒にまで詰めてきた。しかし、SS11でパストラーナのマシンにスロットルトラブルが発生。するとセメナックは再びリードを広げ始め、最終的に40.3秒差で優勝を飾り、米国での初タイトルを獲得した。
「とにかく、今は言葉がない。この選手権を制したなんて信じられない!」と語るセメナックはカナダ出身。ARAのフル参戦2シーズン目でタイトル獲得を果たした。
「今回の目標は、ケンのペースについていき、コンディションで自分たちにアドバンテージがあると感じられるようになるまでプレッシャーをかけ続けることだった。タイトルを獲るにはここで勝たなくてはならないことはわかっていた。信じられない気持ち。チームは、今季、このように戦い続けられるマシンを見事に製作してくれた。そのおかげで、自分たちもこのような成果を挙げるチャンスに恵まれたんだ」
パストラーナはイベントを2位でフィニッシュし、スバル勢が1‐2フィニッシュで最終戦を飾った。パストラーナは、選手権ではブロックに続いての3位でシーズンを終えている。
ARAレイク・スペリオル 最終結果
1 B.セメナック(スバルWRX STI) 1:35:30.6
2 T.パストラーナ(スバルWRX STI) +40.5
3 T.ウィリアムズ(フォード・フィエスタ・ラリー2) +7:20.6
4 G.ブガイ(スバルWRX STI) +14:08.1
5 T.ウィッターリッジ(三菱ランサーエボリューションVIII) +18:30.2
6 M.ピアトコフスキー(スバル・インプレッサ2.5RS) +18:42.5
7 M.フーパー(レクサスIS350グラベルスペック) +21:26.3
8 C.スラデック(ホンダ・パスポート) +22:26.1