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WRCジャパン:世界最小のWRCチャレンジャー、クラス優勝を達成

©Hiroaki Ibuki

12年ぶりの日本開催、そして初の本州開催となったWRCラリージャパンで、1993年のWRCサファリ以来となる『軽自動車でのWRC参戦』が実現した。
SPK株式会社を母体とするD-SPORTレーシング・ラリーチームは、FIAの安全規定に合わせてラリージャパン出場のためにダイハツ・コペンGRスポーツを製作、波乱の展開となったラリーを走り切り、JRCar3クラスで完走、クラス優勝を飾ってみせた。

クルーを務めたのは相原泰祐と萩野司。レッキ後、相原は次のようにラリーの印象を語っている「愛知はコペンが一番多い街なので、まるでホームイベントに来たような感じです。道でも多くの方がダイハツのフラッグを持って応援してくれたり、『コペンを観にきた』とか『レッキカーもコペンで良かった』と言ってもらえて、すごくうれしいです。ラリーは完走を第一に、抑えるところと攻めるところをメリハリ良く走る作戦です」

Naoki Kobayashi


狭い林道を走るセクションが長いラリージャパンでは、クルマのサイズが小さい分、ラインの自由度は高くなる。その一方で、トレッド幅が狭いためにコーナリング時に路面の中央部分に生えている苔に乗ってしまう難しさもあり、コペンのことを知り尽くしたふたりでも、今大会の長く難易度の高いコースを攻略するのはひと筋縄ではいかなかったようだ。
「これまで全日本ラリーなどではブレーキにトラブルが起きることもありましたが、ダイハツのエンジニアからのアドバイスやドライビングの工夫で改善されています。その一方、SSの距離が長いので、電動パワーステアリングや駆動系への負担が増えているなど、これまでにないことが起きています」と相原。
基本的に1デイで行われるTOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジや、2デイの全日本ラリーとは比較にならないほどの距離を走行するWRC。これまで発生したことのないトラブルや想定外の出来事も、必ず今後への糧となるはずだ。

「最後はウエットコンディションでしたが、ちゃんとメリハリをつけて走れたことが良かったのだと思います。岡崎のコースでは轍ができていましたが、コペンの音を皆さんに聞いてほしくて、アクセルを踏み切って走りました。それに、自分がゼロから携わったクルマでWRCに出られるなんて経験はなかなかできないと思うので、その点も良かったです」と語る相原。
「今回が(愛知・岐阜の)初年度ですから、ラリーやモータースポーツが文化になって、根づいてほしいですね」と振り返っている。

Hiroyuki Takii



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