トヨタのWRCチーム代表、ヤリ‐マティ・ラトバラは、2023年はセバスチャン・オジエの活躍をより多く見たいと考えている一方で、それが叶わないのであれば、WRCタイトル8冠王者の参加間隔をできるだけ空けないようにしたいと考えているようだ。
オジエは2023年、勝田貴元とトヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッドのサードカーをシェアすることが発表されているが、具体的なスケジュールはまだ確定していない。シーズン開幕前には決定は行われることはなさそうだが、序盤3戦のうち2戦にオジエが参戦する見込みがかなり高いようだ。
「みんな、自分のシーズン初戦がどこになるかは想像できると思う」と笑顔を見せるオジエ。
「モンテカルロは、言うまでもなく自分にとってすごく特別なイベントだからね。その後は、メキシコはいつも自分自身が楽しんでいたラリーだ」
メキシコのWRC開催は2020年以来だが、新型コロナウイルスの感染が急拡大し土曜日に異例の競技フィニッシュとなったこの時、オジエは優勝を飾っている。今季、カレンダーに新たに加わったセントラル・ヨーロッパラリー(10月26〜29日)はドイツ、チェコ、オーストリアの3カ国開催だが、オジエの地元からそれほど離れていないため有力候補だ。
この3戦以外で、オジエの心をくすぐるような要素が何なのかを想像するのは難しい。一方、トヨタも当然、再び日本でシーズン最終戦に参戦するオジエの姿を見たいと考えているだろう。
ラトバラは、オジエのポイント獲得能力を承知しており、可能な限り彼を迎え入れるだろう。しかし、参戦間隔が広くなることは避けたいと思っている。2022年、オジエは開幕戦モンテカルロの後、次に参戦したポルトガルまで4カ月、その後のサファリ、その後のニュージーランドは3カ月空いた。シーズン終盤はニュージーランドを含め3戦で連続してスタート。最終的にシーズン6戦に参戦したが、そのスケジュールは後半に比重を置いたものになった。
「セブの参戦数については、話し合っているところ」とラトバラ。
「6戦あたりがいい数字だと思う。シーズン半分に近い形になるかもしれない。もちろん、できる限り彼に出てもらいたいが、6戦はいい感じだ。ラリーの間は、ギャップが大きすぎないようにしたい。マシンに戻って、すぐにフルスピードで攻めるのは難しくなるからね。ギャップがあると、いっそうややこしいことになる」
ラトバラの理論は確固としている。オジエは、サファリからニュージーランドの間にはマシンに乗っていなかったが、それでもオークランドでは2位でフィニッシュ。その次のスペインでは、シーズン初勝利をマークしている。