ヒョンデ・モータースポーツは、2021年末以来、空席となっていたチーム代表に、シリル・アビテブールが就任したことを発表した。WRC活動とカスタマープログラムの責任を担う。
アビテブールはフランス出身の45歳。これまで、ルノーやケータハムのF1チームでチーム代表や経営幹部を15年経験してきた。ヒョンデ・モータースポーツは、アビテブールがその経験を活かしてチーム代表となることで、WRC参戦10年目となる今シーズン、チームは新たな改善点を模索し、より継続的にタイトル争いを展開することを期待している。
一方、2022年、チーム副代表としてWRCチームを牽引してきたジュリアン・モンセは、ヒョンデ・モータースポーツの将来の技術に関連する新しい役目に就くという。
ヒョンデ・モータースポーツ社長のシーン・キムは「シリル・アビテブールをヒョンデのファミリーに迎えることをうれしく思う。F1でのシリルの経験は、WRCでのタイトル争いの強化やカスタマーレーシングチームのサポートなど、成長と改善のための新たな機会の探求に役立つだろう。我々は、彼がチームに馴染んで環境に慣れ、やがて自分らしくチーム代表の役割を務めるようになる時間を相応に与えるつもりだ。昨シーズン、決意をもってチーム副代表を引き受けてくれたジュリアン・モンセに感謝したい。彼の指揮のもとで我々は5勝を収め、シーズン後半は勢いをつかんだ。ヒョンデ・モータースポーツの技術陣がシリルとともに、ヒョンデのグローバルR&Dと密接に協力することで、今後、より強力で明確なリーダーシップを発揮してくれるものと確信している」と語っている。
ヒョンデ自動車副社長兼Nブランドマネジメント&モータースポーツ副本部長、ティル・ワルテンベルグは「我々が常に目指しているのは、モータースポーツがヒョンデのブランド全体に効果をもたらすこと。自分たちの目標を達成するためには、適切な人材と経験を結集し、常にトップを走り続ける必要がある。シリル・アビテブールのような優秀な人物がヒョンデ・モータースポーツに加わることをうれしく思う。彼はF1での経験を活かし、このビジネスに新鮮な視点をもたらしてくれるだろう。それが、あらゆる分野で付加価値を生むと確信している。拠点であるドイツ・アルゼナウにはすでに優秀な人材が揃っているが、今回のチーム代表就任で、さらに素晴らしい仕事ができるようになると確信している」とコメントを寄せた。
ヒョンデのWRCチームを率いることになったアビテブールは「2023年からヒョンデ・モータースポーツにチーム代表として加入する機会を得たことをうれしく思う。ほかの活動と同様、モータースポーツにおいても、ヒョンデのブランドは慎重にリーダーシップを築いている。すでに強豪であることを示しているWRCとカスタマーレーシングのプログラムを今後は自分が管理し、その一端を担えることにワクワクしている。ラリーの世界にどっぷりと浸かり、この素晴らしいスポーツをもっと知りたいと思っている。ヒョンデは、この役目の引き継ぎがスムーズに行われるよう全面的にサポートしてくれている。始まるのが待ち切れない」