1月12〜14日に開催されたフィンランドラリー選手権開幕戦のアークティック・ラップランドラリーに、ルノー・クリオ・ラリー4でSM3クラスに参戦した3人のTGR WRCチャレンジプログラムの若手ドライバー。大竹直生/マルコ・サルミネン組が、自己ベストとなる総合25位・クラス2位でクラスポディウムでのフィニッシュを果たした。小暮ひかる/トピ・ルフティネン組はSS4のスタート直後にスノーバンクでスタックしでデイリタイアとなったが、翌日再スタートして総合40位クラス6位。山本雄紀/ミイカ・テイスコネン組はSS2でメカニカルトラブルに見舞われデイリタイア後に同じく再スタートし、総合45位クラス9位でラリーを終えた。
今季最初の実戦を終えてインストラクターのヨウニ・アンプヤは、全員の結果について「プログラムとして多くを学ぶことができたラリーとなった。うれしいことも、残念なこともあったが、とてもポジティブなイベントで、全員が何らかのポジティブな状況を経験した。ドライバーたちにとってのストレスレベルをどのようにマネージメントするかについても学ぶことができた。次戦がとても楽しみになった」とまとめた。
同じくインストラクターのミッコ・ヒルボネンは「プログラムの『サムライ』たちはとてもポジティブにラリーを戦ってくれた。スノーラリーもこのようなコンディションも初めてで、事前にテストで準備したとはいえ、実戦は異なるものだ。難しい局面もあったが、最も重要なのは彼らがラリーを通じて良いリズムをつかみ、多くを学んでくれることだ」と語った。
クラスポディウムに上がった大竹は「まずは全ステージを完走できたので、よかったと思います。SS1は慎重にいきすぎた感じでしたが、そこから改善していけました。最終日の午後はいろいろなことが起こり、SS10でスピンした時には3番手のドライバーに追いつかれましたが気持ちを切り替えてうまく走ることができました。とても学ぶことの多いラリーとなり、多くの収穫がありました。(コ・ドライバーの)マルコからも、これほどキツく言うのは君にもっと速くなってほしいからだ、と言われて、それがとてもうれしかったですし、いいコンビネーションになってきていると思います」と語った。
小暮は「序盤から高速区間でどうしてもクルマをうまく動かせず、リヤが振られることが多く苦戦していました。初日最後のステージ、SS4の1コーナーでスタックしてしまいましたが、翌日は気持ちを切り替えてやれることをやろうと思いました。日中サービスでオンボードの映像を見て、ミッコとヨウニからアドバイスをもらい、それを実践したら午後はいいフィーリングを得ることができ、タイムにもつながりました。いい雰囲気でラリーを締めくくることができてよかったです」と一定の満足を見せた。
山本は「初日は非常に残念な終わり方になりましたが、デイ2も140kmくらい残っていて、かなりの距離を経験できましたし、いいペースで走ることができました。これまでステージによって、いい時と悪い時がバラバラでしたが、1日を通していいリズムを続けることができたので、収穫の多い将来につながるラリーになったと思います」と手応えを語った。
3人はこの後、WRC開幕戦ラリーモンテカルロのレッキに参加する予定だ。
このアークッティックラリーでフィンランド選手権への参戦を開始した2022年の全日本JN-1チャンピオン、ヘイキ・コバライネン(シュコダ・ファビアR5)は、金曜日のステージで懸念していたコースアウトを喫してしまいながらも走行経験を積み、総合27位、SM1クラス10位でラリーをフィニッシュした。
母国の国内選手権参戦を終えてコバライネンは「滑りやすい路面は、自分にとってはとても難しい。ターマックの方が得意だ。グラベルとスノーは、まだまだ多くを学ばなくてはならない。とても難しいラリーだった。後は向上しかない。次戦に向けてがんばりたい」とコメントを残した。
(Keiko Ito)