今週開催される2023年WRC開幕戦ラリーモンテカルロ(アイス&ターマック)に、Mスポーツ・フォードは、2017年以来のチーム復帰となるオィット・タナックとピエール・ルイ・ルーベをフォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1のドライバーに起用する。またマニュファクチャラーズ選手権のポイント対象外で、プライベーターのジョルダン・セルデリディスも同マシンで参戦する。
チームはフランスのギャップ地方でプレイベントテストを行い、4日間の過酷な競技に向けての準備を整えた。
ハイブリッドのラリー1マシン規定が導入されて初めての実戦となった昨年のWRCモンテでは、セバスチャン・ローブがプーマ・ハイブリッド・ラリー1で優勝をマーク。今季もいい形でシーズンを滑り出すことを目指す。
チーム代表のリチャード・ミルナーは「オィットを筆頭に新しいシーズンを迎えることを、とてもうれしく思う」とコメント。
「この数ヶ月は生産的な日々を過ごし、先週はイベント前テストを行った。準備は万全だ。すでに、オィットとの共同作業の効果が出ていると思うし、ピエールもこれから得るものがあると期待している。ドベンビーにいるスタッフは新シーズンに備えて、ラリー1、ラリー2プログラムの両方の作業に必死に取り組んできた。 これまでのみんなの献身的な努力に感謝しているし、今年は非常に強力な結果を出すことができると確信している」
Mスポーツファミリーに復帰しての初戦を迎えるタナックは、WRCモンテでは2017〜2019年に3年連続でポディウムに上がっている。タナックがWRCの名門イベントでプーマ・ハイブリッド・ラリー1のデビュー戦を迎えることは、2023年シーズンを最高の形で迎えたいと期待しているチームにとっても、大きな瞬間になるだろう。
「ラリーモンテカルロは予想がつきにくいイベントだが、シーズンで最もトリッキーなラリーであることは間違いない」とタナック。
「今回もすぐにリズムをつかむのは簡単ではないと思うので、山間部で過ごす週末はもちろんトリッキーになるだろう。最初のテストからベストを尽くしたが、ラッキーにも様々なコンディションでマシンを走らせることができた。白紙の状態からセットアップを決めてシーズンを始めるのは簡単なものではないが、Mスポーツのみんなががんばってくれたので、これから挑む試練に向けての準備が万全であることを願いたい。みんなと一緒に戦う最初のラリーを心から楽しみにしている」
今季はMスポーツ・フォードからフル参戦に臨むルーベは「テストの内容には本当に満足。通常以上にたくさんのことを試したが、マシンのフィーリングは素晴らしかった」と意欲を見せる。
「このマシンはこうした感じの道のために作られたので、ドライブが本当に楽しめた。ラリーでもテストのようなコンディションになることを期待している。そうすれば、自分たちとはても相性がいいからね。落ち着きを保つように努めていく。Mスポーツからの初めてのフル参戦という素晴らしい機会を与えてもらったが、大きな責任を背負うということでもあるので真剣に取り組んでいく。だから、冷静さを保ちながら、シーズンを通してどうするかを考えていく。必要な道具はすべて揃っている」
予定していた2022年最終戦のWRCラリージャパンが本業のために見送りとなったため、WRC参戦は昨年のWRCスペイン以来となるセルデリディスは「Mスポーツ・フォードからプーマ・ハイブリッド・ラリー1で、さらにモンテカルロでWRCのシーズンを始めるというのは最高の特権だが、大きなチャレンジだ」とセルデリディス。
「競技レベルの高さとトリッキーなスノー&アイスのコンディションを考えれば、この素晴らしいラリーでトップ20に入れれば、うれしいね。カレンダーの中で最も美しいイベントであるだけでなく、最もチャレンジングでもある。スノーコンディションでいいテストができたので、楽しむ準備はできていると信じているよ!」