TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの2期生、大竹直生、小暮ひかる、山本雄紀が、2023年の初戦として、1月12〜14日に開催されたフィンランドラリー選手権開幕戦アークティック・ラップランド・ラリーに参戦。大竹が2期生のプログラムとしてはこれまでのベストとなるクラス2位に入った。
また、3人がWRC第2戦ラリースウェーデン(2月9〜12日、スノー&グラベル)でWRCデビューを飾ることも伝えられた。
(以下、チームリリース)
TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラム
2期生 大竹、小暮、山本の2023年シーズン初戦は、大竹が過去最高のクラス2位でフィニッシュ
TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの2期生、大竹直生、小暮ひかる、山本雄紀が、2023年の初戦として、1月12日(木)~14日(土)に開催されたフィンランドラリー選手権第1戦、アークティック・ラップランド・ラリーに参戦し、大竹、山本がSM3クラスでそれぞれ初のステージトップタイムを記録、大竹・サルミネン組は2期生のプログラムで過去最高のクラス2位でラリーを終えました。
本ラリーは北極圏の入り口であるロヴァニエミを拠点に、1月13-14日の2日間にわたり、11のスペシャルステージ(競技区間・SS)、総SS距離230.27kmで競われました。プログラム1年目であった2022年、3選手が経験したのはフィンランドのグラベル(未舗装路)ステージ、フランスとイタリアのターマック(舗装路)ステージのラリーであり、今回は彼らにとって初めてのスノーラリー。日中と陽が落ちてからの両方で、凍った路面や雪深い森の中のステージを経験し、前輪駆動のRally4車両で競うSM3クラスで、将来有望なフィンランドの若手選手と戦いました。
大竹は、賢明なドライビングでクラス4位で初日を終えると、2日目はさらに加速。2日目最初のSS6でクラス2位、SS7でクラス3位タイムを記録し、クラス2位に順位を上げました。続くSS8では自身初となるクラストップタイムを記録し、トップとの差を30秒以内に詰めました。SS10のスピンで優勝争いからは遠ざかってしまいましたが、昨年のラリー・ミッケリでのクラス3位を超える、自身最高のクラス2位でラリーを終えました。
山本は、SS1でクラス2番手タイム、最終のSS11で自身初のステージトップタイムを記録するなど、終始素晴らしいペースで走行。SS2で発生した燃料ポンプのトラブルで初日早々とデイリタイアとなったため、翌日再出走し、山本・テイスコネン組は最終的にクラス8位でラリーを終えました。
小暮は初日、低速コーナーでサイドに膨らみスノーバンク(雪壁)にスタックしてデイリタイアとなりました。翌日はSS6、SS11でクラス2番手タイムを刻むなど強い走りで復活し、小暮・ルフティネン組は最終的にクラス5位でラリーを終えました。
小暮ひかる:4日間にわたってレッキをするラリーはこれまで経験したことがなく、各ステージも非常に長いのでとても体力を消耗しました。全般的にペースを掴むのに苦戦しました。特に高速セクションが難しかったです。ですが、講師陣と自分のドライビングを分析し、いただいたアドバイスのおかげでラリーが終わるまでには今回の路面に適したドライビングスタイルにアジャストし、よいリズムで走れるようになりました。次戦のラリー・スウェーデンでのWRCデビューに向けて緊張していましたが、今回のラリーの終盤でかなり自信がつきました。
大竹直生:まだまだ改善すべき点はありますが、今回の結果をうれしく思っています。全ステージを通して一貫したペースを保つのは難しく、特に夜は雪が多い中で道が見えづらく、より難しかったです。ペースノートは、いくつかのトリッキーなコーナーでは少し安全寄りになっていたものの、全体としてうまく作れたことが結果に繋がりました。このラリーを通して大きな自信を得られたので、次のスノーラリーにもよい気持ちで挑めそうです。
山本雄紀:初めてのスノーラリーでしたが、事前のテストでクルマに対してとても良いフィーリングが掴め、うまく適応することができました。昨シーズンは、良いタイムを出せたこともありましたが、安定性にかけていました。今回はよいリズムで一貫性を持って走ることができたので、最終順位に関わらず、内容に対してとてもうれしく思っています。
ミッコ・ヒルボネン(チーフインストラクター):彼らにとって初めてのスノーラリーでしたが、3人とも表彰台争いできるスピードがあることはわかっており、最初から最後まで一貫してペースを貫けるかが重要でした。また、さらに新しいチャレンジとなったのは夜のステージで雪が降っていたときの視界の悪い中での走行、そしてタイヤのスタッドをうまくマネージすることが極めて重要でしたが、3人とも非常にうまくこなしました。大竹は賢明なラリー運びをし、初日徐々にスピードを上げ、表彰台争いができるスピードを掴みました。ポテンシャルを十分に発揮し、自信をつけたと思います。山本は、SS2で燃料ポンプにトラブルが発生してデイリタイアとなりましたが、翌日はプッシュしすぎることなく、かつ一貫して良いペースで走りきり、素晴らしい精神力を見せてくれました。小暮は低速のセクションで小さなミスがありアンラッキーでしたが、うまく挽回し、翌日は良いリズムで走ることができました。
Results (SM3 class):
1. Justus Räikkönen/Mikael Korhonen (Peugeot 208 Rally4) 2h15m02.8s
2. 大竹 直生/マルコ・サルミネン (Renault Clio Rally4) +2m10.1s
3. Mille Johansson/Julia Thulin (Ford Fiesta Rally4) +8m47.7s
4. Niko Patajoki/Juha Lummaa (Ford Fiesta Rally4) +12m23.3s
5. 小暮 ひかる/トピ・ルフティネン (Renault Clio Rally4) +13m25.8s
6. Topi Kärki/Esko Lappalainen (Ford Fiesta Rally4) +17m25.5s
7. Leevi Lassila/Juho Koski-Lammi (Ford Fiesta Rally4) +18m13.0s
8. 山本 雄紀/ミイカ・テイスコネン (Renault Clio Rally4) +18m32.2s
9. Adam Grahn/Marcus Sundh (Ford Fiesta Rally4) +39m14.9s
次回のイベント情報
さらなるスノーラリーの実戦として、2月9日-12日に開催される、WRC第2戦ラリー・スウェーデンに参戦します。選手にとって、走行が3日以上にわたるラリーに参戦するのは初めてで、大きな挑戦となります。今回のアークティック・ラップランド・ラリーでの経験、学びを生かし、多くの高速セクションとストレートを擁する高速スノーラリーに挑みます。