トヨタのエルフィン・エバンスは、2023年のWRC、チーム代表ヤリ-マティ・ラトバラからはタイトル獲得のプレッシャーは受けない状態で開幕を迎える。
2022年、チームメイトのカッレ・ロバンペラが22歳と1日という史上最年少で世界チャンピオンとなった一方で、ハイブリッドの新規定ラリー1マシン導入初年が未勝利に終わった34歳のエバンス。今季は、その流れを直そうと必死に取り組みながら、今週、モナコのカジノ広場から新シーズンをスタートさせる。
ラリー1マシンでの2年目となる今季、エバンスは出力が高められた新スペックのエンジンやハイブリッドシステムの冷却口を変更したリアフェンダーのボディワークなど、改良されたトヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッドに期待を寄せている。
2022年は一年を通して苦戦しポイント争いでは4位に終わったが、それまでの2シーズンはタイトルにまであと一歩のところまで迫っているエバンスを、ラトバラは全面的に支えている。
「エルフィンはカッレが速いことを分かっているから、何のプレッシャーもない」と語るラトバラ自身も、元トヨタのワークスドライバー。
「ポイントに関しては、他人を気にしないことだ。彼は自分自身のことに集中する必要があるし、それが一番重要なこと。規定がまったく新しくなった2022年、彼は新マシンのコツをつかむのに苦労した。あのマシンをどうにかしようとする機会が少なくなってしまった。サスペンションやトランスミッションに手を加えられる範囲が狭くなってしまったんだ。でも、彼はどこに問題があるのかを理解している。それがわかっていないとなると、大変なことになってしまう」
昨年のWRCモンテでは優勝を争いを展開しながらも、土曜日の午後にコースオフを喫したエバンスは「新シーズンへの準備はできている。昨年は個人的には期待外れだったが何とか前進はできたので、今季はもっといい結果を出したい」と意欲を語っている。
(Graham Lister)