2023年シーズンWRC開幕戦ラリーモンテカルロは、1月20日(金)にラリー2日目の6SSを走行し、トヨタのセバスチャン・オジエが、チームメイトのカッレ・ロバンペラに36秒差をつけて首位を快走。37.9秒差の3番手にはヒョンデのティエリー・ヌービル、54.2秒差の4番手にはMスポーツ・フォードのオィット・タナックが続いている。勝田貴元は7番手につけた。
金曜日はアルプ=マリティーム周辺の3ステージを2ループする105.34km。この日は日中にサービスが設定されておらず、午前中の3SS走行後にモナコ北西部のピュジェ・テニエでリグループとタイヤフィッティングゾーンを行い、午後は午前中と同じルートをリピートする。サービスを出た時点のコンディションはドライとなった。
初日のナイトステージで連続ベストを刻んだセバスチャン・オジエは、この日のオープニングのSS3(18.33km)でも、エバンスを3.2秒差に従えてベストタイム。2番手エバンスの差を9.2秒に拡大した。その後方、6.1秒差の3番手タイムをマークしたカッレ・ロバンペラは、ヒョンデのティエリー・ヌービルとMスポーツ・フォードのオィット・タナックをかわして、総合3番手にポジションを上げている。
19.79kmのSS4、オジエはハイブリッドブーストが使えなくなるトラブルに見舞われながらも、エバンスに2.1秒差のベスト。11.3秒に広がった差を前に「それにしてもセブのスピードはすごいね。まだ先は長いし、あまり無理はしていない」とエバンスは肩をすくめる。4.9秒差の3番手タイムをマークしたヌービルは再び3番手に返り咲いた。一方、凍結防止剤が撒かれた路面を警戒したロバンペラはタナックにも抜かれて、5番手に順位を落としている。
午前中を締めくくるSS5(14.55km)、2番手を走行していたエバンスが右リヤタイヤをパンクしてしまう。「高速セクションで注意していた箇所だった」とエバンスは振り返ったが、ベストのオジエから40秒以上も遅れて5番手にドロップ。ヌービルが2番手、ロバンペラが3番手とそれぞれ順位を上げた一方、首位のオジエも労せずして30秒以上のアドバンテージを手にすることになった。また、7番手を走行していたMスポーツ・フォードのピエール-ルイ・ルーベがコースオフ、9番手と大きく後退している。
午後のセクションはサービスを挟まず、タイヤフィッティングゾーンのみで午前中と同じステージをループする。SS6、オジエの連続ベストを止めたのは、前のステージでパンクに見舞われたエバンス。0.5秒差ながらもオジエを上まわり、前を走る4番手のタナックを追う。タイヤフィッティングゾーンでハイブリッドシステムの不調を解消したオジエは「30秒差があるし、あまり無理をする必要はない」と余裕の表情。3番手タイムのロバンペラは、ヌービルを捉えて2番手にポジションを上げている。このステージでは勝田貴元も4番手タイムを記録し、トヨタが上位を独占。勝田はヒョンデのエサペッカ・ラッピをかわし、7番手に順位を戻した。
オジエは「リスクは取ってない」としながらも、SS7ではベスト、SS8では3番手タイムでまとめ、2番手のロバンペラに36.0秒差をつけて2日目を終えた。「今日の走りには満足しているよ。今日のステージはパンクのリスクが高かったから、あまり無理はしなかった。とにかく無事にマシンを持ち帰ることができてハッピーだ」と、最終サービスで笑顔を見せた。
2番手を争うロバンペラとヌービルの差は1.9秒、4番手のタナックはヌービルから16.3秒差と少し離れてしまった。パンクで遅れたエバンスはタナックに8.1秒差と、彼の背中が見えてきた。前日のマシントラブルにより9番手でスタートした勝田は、コンスタントに4番手タイムを記録。6番手を走るヒョンデのダニ・ソルドに2.9秒差の7番手につけている。
競技3日目はSS9〜SS14の6SS、SS走行距離は111.78km。オープニングのSS9は日本時間1月21日の16時24分にスタートする。
WRCモンテカルロ SS8後暫定結果
1. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 1:26:39.4
2. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +36.0
3. T.ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1) +37.9
4. O.タナック(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +54.2
5. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:02.3
6. D.ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1) +1:30.2
7. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:33.1
8. E.ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1) +1:57.7
9. N.グリアジン(シュコダ・ファビアRSラリー2) +4:12.8
10. Y.ロッセル(シトロエンC3ラリー2) +4:42.5