2023年シーズンWRC開幕戦ラリーモンテカルロは、1月21日(土)にラリー3日目の6SSを走行し、トヨタのセバスチャン・オジエがチームメイトのカッレ・ロバンペラに16秒差をつけて首位をキープ。32秒差の3番手にはヒョンデのティエリー・ヌービル、56.5秒差の4番手にはトヨタのエルフィン・エバンスが続いている。
ラリー最長の117.78kmを走行する土曜日は、モナコから北西へと大きく移動し、ピュジェ・テニエでのリグループとタイヤフィッティングゾーンを挟んで3ステージをループする。早朝のステージは路面が凍結している箇所が多いが、日が昇るにつれてコンディションが大きく変わる可能性もある。前日の段階で2番手以下に30秒のアドバンテージを得た首位のオジエは「フルアタックはしない。セーフティなスピードで走る」と、早くもペースコントロールを宣言した。
オープニングのSS9(16.80km)を制したのは、ヌービルと総合2番手の座を争うロバンペラ。SS4番手タイムに終わったヌービルに2.7秒差をつけ、総合タイム差を4.6秒とわずかだが広げてみせた。SS6番手タイムの勝田貴元は、ペースの上がらないヒョンデのダニ・ソルドをかわして、総合6番手に順位を上げている。また、29番手ながらも走行を続けていたMスポーツ・フォードのピエール-ルイ・ルーベが橋の欄干にヒットし、リタイアとなった。
17.31kmを走行するSS10は「素晴らしい景色のなか、いいリズムで走れた」と笑顔を見せたオジエが、チームメイトのエルフィン・エバンスに0.2秒差をつけてベスト。総合4番手のタナックはこのステージでパワーステアリングのトラブルに見舞われタイムをロスし、エバンスが総合4番手にポジションを上げている。この日最長の21.78kmを走るSS11は、ロバンペラが2度目のベスト。ジリジリと総合3番手のヌービルを引き離し、その差は12.4秒となった。
後続との差をコントロールしながら首位を順調に走行しているオジエは「午前中のターゲットはとにかくセーフペースで走ること。ここは前走者のインカットでかなりグラベルが出ていて、パンクの危険もあったけれど、無理せずに走れたよ」と、余裕の笑顔を見せている。
タイヤフィッティングゾーンを挟んだ、午後のセクション。SS12ではヌービルが今回初のベストタイムを刻み、SS2番手のエバンスを1.1秒突き放し、総合タイム差を19.5秒としている。このステージではヒョンデのエサペッカ・ラッピがパンクし、30秒近くをロス。ラッピはSS11の段階で総合6番手を走るソルドとの差を4.5秒にまで縮めていたが、このタイムロスで差は26.7秒に拡大している。続くSS13もヌービルがロバンペラに0.2秒差の連続ベスト。これで総合2番手のロバンペラとの差を9.3秒と、わずかだが詰めてみせた。
しかし、この日の最後を締めくくるSS14は、ロバンペラがヌービルに6.7秒差をつける一番時計を刻み、ヌービルとの差を16.0秒に押し戻した。完全にドライとなった路面でパンクを警戒したオジエは、ベストから9.8秒差のSS4番手タイム。ロバンペラが16秒差に迫ってきたが、「明日の距離を考えれば十分なタイム差だろう。このステージは一番パンクの危険があるからね」と、冷静にコメントした。以下、56.5秒差の総合4番手にエバンス、1分37秒差3の総合5番手にタナック。ミスなく走行を続けた勝田は、2分15秒7差の6番手につけている。
ラリーの最終日となる競技4日目は、SS15〜SS18の4SS、SS走行距離は67.88km。オープニングのSS9は日本時間1月22日(日)の15時57分にスタートする。
WRCモンテカルロ SS14後暫定結果
1. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2:27:11.5
2. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +16.0
3. T.ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1) +32.0
4. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +56.5
5. O.タナック(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +1:37.3
6. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +2:15.7
7. D.ソルド(ヒョンデi20 Nラリー1) +3:08.8
8. E.ラッピ(ヒョンデi20 Nラリー1) +3:11.4
9. N.グリアジン(シュコダ・ファビアRSラリー2) +8:06.1
10. Y.ロッセル(シトロエンC3ラリー2) +8:21.3