今週開催されるWRC第3戦ラリーメキシコ(グラベル)に、ヒョンデはティエリー・ヌービル、エサペッカ・ラッピに加え、ダニ・ソルドを3台目のヒョンデi20Nラリー1・ハイブリッドのドライバーに起用する。
今季初のグラベルラリーとなるラリーメキシコは、2020年以来のWRC開催。標高が高いことで知られるイベントだが、昨年から導入されたハイブリッドのラリー1マシンでの参戦はこれが初めてとなる。前戦スウェーデンではダブルポディウムを果たしたヒョンデとしては、マニュファクチャラーズ選手権タイトル奪還に向けても、この勢いをつなげていきたいところ。ヒョンデにとっては、2014年に初めてWRCでポディウムに上がった思い出のあるイベントであり、スペイン出身のソルドにとっては、日常会話にスペイン語が使われているメキシコのWRCラウンドを第2の母国ラリーとも公言している。
今季は開幕2戦とも3位フィニッシュを果たしているヌービルは、WRCメキシコでは直近3回の大会でいずれもポディウムに上がっている。
「ラリーメキシコは素晴らしいイベントだし、毎年、自分のハイライトとなる一戦。道が素晴らしい美しい国だし、熱烈な応援をしてもらえる」とヌービル。
「でも、たくさんの意味でチャレンジングでもある。今季最初のグラベルラリーだし、暑くて標高が高いことはマシンにとってはタフだ。今年は、ハイブリッドのマッピングを的確に行い、パワーをキッチリ得ることが重要になる。最適なトラクションを得られるようにマシンをセッティングし、正確にドライビングすることも、いいパフォーマンスをするために非常に重要になる。今回の自分たちの目標は、上位争いに加わってまたポディウム争いをすることだ」
今季からヒョンデに加入し、前戦スウェーデンでスピードを見せたラッピは、このメキシコでポディウムに上がることを目指す。
「メキシコは特有のラリー。標高も気温も高く、エンジンパフォーマンスが落ちることが通常なので、新しいハイブリッドシステムではどのような感じになるのか興味深いね」とラッピ。
「ステージはスウェーデンとは真逆で、速度域はかなり低くなってすごくテクニカル。ルーズなグラベルの薄い層があるのですごくスリッパリーになることもあるので、リヤのグリップが特に重要になる。初日の走行順は6番手なので、先に走るマシンがラインを掃除してくれて自分たちにはアドバンテージになるはず。開幕2戦では手応えを感じているので、今回は一貫性のある強い戦いをしたい。その意味では、ポディウム争いにも絡んでいけると思っている」
今季は開幕戦モンテカルロに続いて2度目のWRC参戦となるソルドは、2018年のWRCメキシコで激戦の2位争いを展開するなど、このイベントでは5回ポディウムに上がっている。
「ラリーメキシコは、本当に道がよくアメージングなイベント。ファンや観客はエネルギッシュで情熱的なので、ラリーの素晴らしい雰囲気をさらに盛り上げてくれる」とソルド。
「標高が高いためにマシンのパワーが落ちるなどいつもと感覚が変わるので、独特でもある。空気が薄く暑さも体に厳しいので、体力的にもしっかり準備を整えておかないとならない。間違いなく、疲労がたまるからね。このラリーでの自分たちの目標は、できる限り上位でフィニッシュすること。トップに近いところにつけたいね。すべてが順調に進めば優勝争いもできると考えているが、少なくともポディウムには上がりたい」