ラリー1マシンで迎える初の高地グラベルラリー、メキシコのスタートを控え、トヨタのチーム代表ヤリ‐マティ・ラトバラに話を聞いた。
──TGRチームは昨年、ラフグラベルで苦戦してきましたが、今回のメキシコに向けてここまでの準備はいかがですか?
マシンのサスペンションに焦点を当てて改善した。昨年はコーナリング後のトラクションで最もタイムロスが激しかったし、ドライバーたちはアンダーステアに苦しんだ。テストではそのあたりを最も改善した。ドライバーたちからのコメントはとてもポジティブだったし、エンジニアたちもこのイベントに向けて懸命な努力を重ねた。3日間で最大限のパフォーマンスを出せるようになればいいと考えている。今年は競争力が高いと思っているし、自信がある。
──ハイブリッドのラリー1マシンで標高の高いメキシコのステージを走るのは初めてです。
このラリー1マシンは、これまでメキシコで走った最速のマシンになるはずだ。高地でエンジンのパワーは落ちるが、ハイブリッドのパワーがそれを補うからだ。もちろん、冷却系に厳しいという問題はあるが、主にエンジンの冷却に関してシミュレーションとテストを行ってきた。現時点ではあまり懸念していない。
──初日の出走順は、オィット・タナックが1番手、カッレ・ロバンペラが2番手になります。メキシコでの掃除役の負担はどれくらい大きいと考えていますか?
出走順がトップである場合、ここで優勝することは不可能に近いと言える。トップの2台はとにかく難しいね。チャンスがあるのは、4台目くらいからではないかな。金曜日はとてもテクニカルで低速セクションの多いエル・チョコラテから始まるが、コーナーを出た後の加速でのタイムロスが大きくなるので差が広がっていく。高速なステージであれば、タイム差は小さい。
(Keiko Ito)