トヨタのWRCチーム代表、ヤリ‐マティ・ラトバラは、セバスチャン・オジエが今季、予定されている以上にWRCに参戦することへの可能性を残しているようだ。
WRC8冠のオジエは今季、自身の個人的な予定に合わせてのスポット参戦となっており、トヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッドのサードカーを日本の勝田貴元とシェアしている。オジエの今季の参戦は、7戦程度になると見られている。
しかし、開幕戦モンテカルロ、前戦メキシコと、ここまで参戦した2戦でいずれも勝利を飾っているオジエは、第3戦を終えた時点でドライバーズ選手権では3ポイント差をつけての首位に立って、4月20〜23日に開催される次戦クロアチア(ターマック)を迎える。
この状況にラトバラは、オジエが9度目のドライバーズタイトルを狙うために予定されている以上に参戦する可能性を示唆した。
「どうなるかなんて、誰にも分からない」とラトバラ。
「プッシュしすぎてしまうと違った方向に進みかねないので、彼をプッシュしようとは思わない。そのプランはセブ自身の口から出るべきであり、彼が本当にそうするべきだと確信している必要がある。最初、彼は7戦出ると言った。もちろん、それがチームにとって大きな貢献になることは承知している。だから、もしあと数戦出てくれるのなら、Noなんて言わない。どうなるかは、わからないよ」
オジエが参戦しないイベントでは、勝田がマニュファクチャラーズ選手権ポイントの対象となり、勝田は2月のWRCスウェーデンで初めてその役目を務めた。ラトバラによれば、もし必要となれば、勝田の代わりにオジエを呼ぶこともあり得るという。
「選手権争いの進捗を見ながら考えていけるし、チームにセブがいるということは、本当にありがたい状況」とラトバラ。
「もちろん、タカにとっては新しい立場に挑んでいることになるし、彼にあまりプレッシャーをかけすぎたくないラリーも出てくるかもしれない。そうなった場合でも我々にはオジエがいるので、彼が興味を持ってくれれば出てもらえる。ふたりにとっても、とてもいいことだと思うよ」
オジエがWRCメキシコで勝利を収めたことで、トヨタはマニュファクチャラーズ選手権でも2番手のヒョンデに対してのリードを27ポイントに広げている。