フォードのテクニカルディレクター、クリスチャン・ロリオーは、メキシコでライバルのシトロエンC4 WRCにまったく追いつけなかったフォーカスについて、特に心配していないと語っている。
「まず、我々のチーム自体がメキシコというイベントのデータをロクに持っていないこと。次に、ダニ・ソルドやセバスチャン・オジエが予想以上によく走っていたことだ。……と言うと君らは2008年のことを思い出して『だってあの時はラトバラが初日にリードしていたじゃないか』と言うだろう? 確かにそうだけど、ラトバラはあの時“アタマのネジが飛んでいた”んだよ。速かったけど、トラブルもあって結局4位だった。だけど今は違う。今回のメキシコではチームのために素晴らしい仕事をしてくれた。
それはさておき、みっつめの理由は、ミッコが初日に砂利かき役をやらされたことだ。それが2日目の失速にもつながった。実際、先頭走者と2番手走者では路面状況が全然違うからね。初日のペターとオジエがあれだけ速かったのも分かるだろう? 彼らのタイムは常に拮抗していたけど、デイ2でペターが先頭走者になった時、ふたりの差は大きく広がったんだ。
そして、ここで忘れちゃならないのは“ペターがメキシコ前に2日間の現地テストを行なった”ということだ。彼らがそこでエンジンの高地補整についてどれだけのことができたか、僕には分からない。だけど、うまくいったとしたら? そのデータをワークスチームと情報を共有していたかどうかなんて、誰にも分からないのさ。
ペターはヨーロッパ外でのテストを行なうことができる。我々ワークスチームはそれができない。事実を正直に受け入れようじゃないか。フツーに考えれば、スウェーデンで勝てたマシンが、その次のラリーでまったくの役立たずになるワケがないだろう?」
この週末、フォードはサルディニアでヨルダン向けのテストを行なっていたが、ロリオーはマシンについて大きな変更はないと言う。
<参考>マニュファクチャラーおよびWRCチームのテスト制限(抜粋)
・フィンランド、フランス、ドイツ、イタリア、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、イギリス以外の国でのテストは禁止
・その年の選手権にステージとして使用される可能性のあるすべての道路