先日の全日本ラリー選手権第3戦ツール・ド・九州 in 唐津に来場していたTGR-WRTのヤリ‐マティ・ラトバラが、急逝したヒョンデのクレイグ・ブリーンについて思い出を語った。
「クレイグとは、ヒストリックのラリーカーに情熱を注いでいるという共通点があった。彼も僕も、90年代頃のマシンが大好き。ラリーの現場で会うと、今のクルマのことはまったく話さず、いつも旧車の話ばかりしていたよ。ああいうマシンをドライブするのが、どれほど楽しいか、とかね」
ブリーンはRALLY CARS vol.32で実施したインタビューでグループBのMGメトロ6R4を『人生の一部』と表現している。子どもの頃からラリーに関する本を読みあさっていたとも語っており、根っからのラリー好き、クルマ好きであることが伝わる。
「自分と同じように、彼も古いクルマや旧車をドライブすることに、とても情熱的だった。彼にとって、古いラリーカーは切っても切り離せないものであり、“人生最大のオモチャ”でもあったのだと思う。これからももっともっとドライビングを続けられたはずなのに、先週起きたことは、本当に残酷だと思う」
「あのアクシデントの詳細については分からないが、自分が把握している限りでは、マシンの安全レベルに起因するアクシデントではないと思う。何かが起こる時には、様々な要素が絡むものだということを考慮しなくてはならない。ドライバー自身が突然気を失って、衝突してしまった、というようなことだって起こり得るものだ。我々は常に100%の安全確保を目指しているが、どうしても手が届かない部分は出てしまう。99%までは到達できるかもしれないが、残りの1%で何かが起きてしまう時もある。僕らは人間だから、すべてについて完璧に対応することはできない」