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WRCクロアチア:競技初日を終えてヒョンデのティエリー・ヌービルが首位、勝田は5番手を走行

©HYUNDAI

2023年シーズンWRC第4戦クロアチアは、4月21日(金)に初日の8SSを走行し、ヒョンデのティエリー・ヌービルが首位に立った。5.7秒差の2番手にはトヨタのエルフィン・エバンス、30.0秒差の3番手にはMスポーツ・フォードのオィット・タナックがつけている。トヨタの勝田貴元は1分52秒1差の5番手で初日を走り切った。

金曜日のルートは、クロアチアの首都南西部に広がる丘陵地を走行する。ザグレブ市内の展示会場「ザグレブフェア」に設置されたサービスを挟んで4SSをループする8SS、130.18km。今回最も長い距離の「Stojdraga-Hartje(25.67km)」を含む、ラリー最長の1日だ。この時期のクロアチアは天候が変わりやすく、タイヤチョイスが勝負を左右する可能性がある。

木曜日の夜にザグレブの中心部で行われたセレモニアルスタートに続き、金曜日朝から本格的なステージの幕が開けた。朝の段階でドライコンディションとなったものの、クロアチア特有の荒れた舗装路がクルーを待つ。さらに、走行が繰り返されるたびにインカットによる泥が掻き出される可能性も高い。

TOYOTA


オープニングのSS1、ベストタイムを刻んだのは今シーズン2勝を挙げ、絶好調のセバスチャン・オジエ(トヨタ)だ。彼のタイムに唯一迫ったのが、2.6秒差のティエリー・ヌービル(ヒョンデ)。10.5秒差のSS3番手はヘアピンでスピンを喫したオィット・タナック(Mスポーツ・フォード)、11.3秒差でカッレ・ロバンペラ、12.3秒差でエルフィン・エバンスとトヨタのふたりが続く。

ところが、この日最長の25.67kmを走行するSS2で、首位のオジエ、総合4番手のロバンペラが相次いでホイールの破損によりパンク。どちらのドライバーもステージ中のタイヤ交換を余儀なくされ、オジエは1分半以上、ロバンペラも2分以上をロスし、早くも優勝争いから脱落することに。ここでは、シケインでバリアにボディ右サイドをヒットしながらも、ヌービルがエバンスに4.2秒差をつける一番時計。これでヌービルが、エバンスに13.9秒差をつけて総合トップに立った。

SS3は、前のステージで大きく遅れたオジエが、ヌービルに0.8秒差をつけて、この日2度目のベスト。スローパンクチャーに見舞われながらもエバンスが3.3秒差のSS3番手タイムでまとめた。オジエはSS4でもバリアにマシンをヒットさせながらも、タナックに1.3秒差をつける連続ベスト。このステージで4番手タイムのヌービルは、エバンスに16.1秒差の総合首位で午前中のセクションを終えた。

午前中を終えて、22.2秒差の総合4番手にタナック、34.9秒差の総合5番手にエサペッカ・ラッピ(ヒョンデ)、50.5秒差の総合6番手に勝田貴元(トヨタ)、55.8秒差の総合7番手でピエール-ルイ・ルーベ(Mスポーツ・フォード)のオーダーで続く。午前中に行われた4本中3本のステージでベストをマークしながら、SS2でのパンクで大きく遅れたオジエは1分27秒1差の総合7番手につけている。

M-SPORT


サービスを挟んだ午後のセクション、雨が降り始めたことで、路面の一部がウエットに。SS5はまたもオジエがベストタイムで走り抜けた。首位のヌービルは「リヤにソフトを履いたが、完璧なチョイスではなかった」と不満を訴え、ベストから7.2秒遅れたSS5番手タイム。セカンドベストのエバンスがヌービルとの差を13.7秒に縮めた。このステージでは総合5番手の勝田がスピンを喫して10秒ほどロスし、ルーベが総合5番手へと順位を上げている。

SS6、当初の想定よりは強い降雨とはならず、ソフトとハードを組み合わせたクルーが好タイムを記録。ラッピが今回初となるベストタイムをマークし、エバンスが0.7秒差、オジエが1.9秒差で続く。フルウエットで挑んだタナックは17秒も遅れ、ラッピが総合3番手にポジションアップ。オジエもルーベと勝田をとらえ、総合5番手まで順位を戻している。

SS7は、「前の2ステージでは、馬鹿げたチョイスをしてしまったが、ここは悪くない走りができた」と語るタナックが初ベストを獲り返し、再びラッピを抜いて総合3番手に。この日の最後を締めくくるSS8は、エバンスがロバンペラを従えて初ベスト。ヌービルが2.7秒差のSS5番手タイムに留まったことで、エバンスが総合首位ヌービルとの差を5.7秒にまで縮めている。

タナックはトップから30.0秒差の総合3番手。一時、タナックを上まわったラッピが3.4秒差の僅差でそれに続く。SS2のパンクで総合8番手まで順位を落としたオジエは1分23秒7差の総合5番手までリカバリー。しかし、フィニッシュ後、オジエはSS2でタイヤ交換後の走行中にセーフティハーネスを正しく装着していなかったとして、スチュワードから1分間のタイムペナルティを科され、総合7番手にドロップしている。

TOYOTA


フルウエットを予想した勝田はペースを上げることができずにSS5でルーベの先行を許したが、SS8でSS4番手タイムをマーク。総合5番手に順位を上げて初日を終えた。

競技2日目はSS9〜SS16の8SS、SS走行距離は116.60km。オープニングのSS9は、日本時間3月22日の14時54分にスタートする。

WRCクロアチア SS8後暫定結果
1. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) 1:16:02.4
2. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +5.7
3. O.タナック(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +30.0
4. E.ラッピ(ヒョンデi20Nラリー1) +33.4
5. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:52.1
6. P-L.ルーベ(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +1:52.9
7. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +2:23.7
8. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +2:40.3
9. Y.ロッセル(シトロエンC3ラリー2) +3:20.0
10. N.グリアジン(シュコダ・ファビアRSラリー2) +3:49.9



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