2023年シーズンWRC第4戦クロアチアラリーは、4月22日(土)にラリー2日目の8SSを走行し、トヨタのエルフィン・エバンスがラリーをリード。25.4秒差の2番手にはMスポーツ・フォードのオィット・タナック、55.4秒差の3番手にはヒョンデのエサペッカ・ラッピがつけている。トヨタの勝田貴元は2分25秒9差の6番手と、前日からひとつ順位を落とした。
土曜日のルートは、ザグレブ西部の4SSを午前と午後でループする8SS、116.60km。アドリア海を望む名物ステージ「Platak(15.63km)」はSS12/SS16として実施される。初日を終えて首位に立つティエリー・ヌービル(ヒョンデ)とエルフィン・エバンス(トヨタ)の差は5.7秒。総合3番手のオィット・タナック(Mスポーツ・フォード)は30.0秒離れている。
オープニングのSS9、前日のパンクから大きく遅れ、この日は先頭スタートとなったカッレ・ロバンペラ(トヨタ)が、グラベルの出ていないクリーンな路面でベストタイム。1.2秒差でタナック、1.4秒差でセバスチャン・オジエ(トヨタ)が続く。首位スタートのヌービルは、僅差で争うエバンスに4.8秒差をつけるSS4番手タイムをマークし、その差を10.5秒に拡大した。後半の林道セクションの汚れた路面を警戒し、ペースを落とした勝田貴元(トヨタ)をかわし、ピエール-ルイ・ルーベ(Mスポーツ・フォード)が5番手に順位を上げた。
SS10もロバンペラがオジエを0.1秒上まわり、連続ベストタイム。このステージでもヌービルはエバンスを0.3秒差をつけて、マージンをわずかだが拡大した。しかし続くSS11、順調にリードを広げていた首位のヌービルが、スタートから約5km地点の右コーナーでコースオフ、立木にヒットしてマシンを止めた。ここをSS3番手タイムでまとめたエバンスが、タナックに19.1秒差をつけてトップに立つことに。ここまで3連続ベストを決めたロバンペラは、総合6番手を走行するオジエとの差を2.6秒にまで縮めている。
SS12、首位のエバンスはベスタイムトのオジエから5.1秒差のSS3番手タイム。このSSで総合2番手のタナックに対して3.5秒差をつけ、午前中のステージを終えた段階でアドバンテージを22.6秒に拡大している。44.8秒差の総合3番手は「昨日ほど、うまく走れていない」と振り返ったラッピ。このステージで一番時計のオジエが、勝田を抜いて総合5番手にポジションを上げた。
サービスを挟んだ午後のセクション、1回目の走行を終えて路面にはインカットでグラベルが掻き出され、非常に滑りやすいコンディションとなった。SS13、首位のエバンスはコースオフを警戒し、思うようにペースが上げられず、ベストタイムのオジエから7.1秒差のSS5番手タイム。セカンドベストを刻んだタナックが15.9秒差とその差を縮めてきた。ヘアピンでミスを喫しながらも一番時計を出したオジエは、ルーベをパスして総合4番手に浮上。SS3番手タイムのロバンペラも勝田をかわし、総合6番手に順位を上げている。
SS14は「セッティングが決まっている」と語るタナックが、この日初のベストタイム。エバンスは3.4秒差のSS4番手タイムが精一杯で、ふたりの差は12.5秒にまで縮まった。セカンドベストのロバンペラはルーベをパスし、総合5番手に浮上。これで総合4番手のオジエとの差は3.7秒と、順位争いの行方はまだ分からない。SS15、このままエバンスとの差を詰めていくと思われたタナックに、まさかのハンドブレーキトラブルが発生。ベストのロバンペラから11.4秒遅れてしまい、エバンスとの差も16.8秒に拡大した。後方ではタイヤ温度の上昇に見舞われたルーベがタイムロス、勝田が総合6番手の座を取り戻している。
この日の最後を締めくくるSS16、トラブルを抱えたまま走るタナックは、SS4番手タイムのエバンスから8.6秒差のSS6番手タイム。これで、首位を守り切ったエバンスは25.4秒差という十分なアドバンテージを持って、最終日へと向かうことになった。55.4秒差の総合3番手は、終始自身のペースを守って走ったラッピ。総合4番手のオジエはこのSSでベストをマークし、総合5番手で追うロバンペラとの差は2.0秒と、わずかだが広がった。
競技3日目はSS17〜SS20の4SS、SS走行距離は54.48km。オープニングのSS17は、日本時間3月23日の14時08分にスタートする。
WRCクロアチア SS16後暫定結果
1. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2:20:05.7
2. O.タナック(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +25.4
3. E.ラッピ(ヒョンデi20Nラリー1) +55.4
4. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:49.4
5. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:51.4
6. 勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1) +2:25.9
7. P-L.ルーベ(フォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1) +2:32.1
8. Y.ロッセル(シトロエンC3ラリー2) +6:40.2
9. N.グリアジン(シュコダ・ファビアRSラリー2) +6:51.7
10. E.リンドホルム(シュコダ・ファビアRSラリー2) +8:02.4