Mスポーツ・ポーランドは、好評を博しているフォード・フィエスタ・ラリー3に、印象的な新型フェイスリフトなど包括的なパフォーマンスアップデートを施した改良版、フォード・フィエスタ・ラリー3 Evoを発表した。今週末にスペインで開催されるERC第2戦ラリーイズラス・カナリアスで、ジョン・アームストロングが実戦デビューを果たす。カスタマー向けの供給が準備できるのは、今シーズンの中盤になるとしている。
今回のアップデートに含まれるのは、新スタイルのエクステリア、新型リヤウイング、ギヤ比の改良、グラベル・ターマック仕様のダンパー、フロントブレーキダクト。
エントリーレベルの4WDカテゴリーとしてFIAがラリーピラミッドに設定したラリー3は急成長しており、先日はルノー・スポールが、クリオ・ラリー3のホモロゲーション取得を発表したばかり。Mスポーツ・ポーランドは、フィエスタ・ラリー3がWRCやERCでの実戦で収集したデータを活用し、2年近くにわたって研究開発を行ってきたという。その成果であるフィエスタ・ラリー3 Evoは、エントリーカーでありながら、イベントでの総合優勝も狙えるラリー界のサラブレッドだと自信を見せる。一方で、本格的な4WDマシンの経験を、最新の装備と低いランニングコストで実現したいドライバーに最適な車両だという。
最も分かりやすいアップデートは外観だ。市販モデルの変更に伴い、ボンネット、フロントバンパー、サイドミラー、LEDヘッドライト、テールライトなどに変更を加えている。新型のフロントバンパーは、エアインテークエリアが60%拡大するようにデザインされており、冷却システムの効率が強化されている。
軽量化されたサイドミラーは小型化されたことで破損しにくくなり、ボンネットの開口部も新しい外観に合わせている。 また、新型のLEDヘッドライトやオプションのレーザーランプポッドにより、視認性が大幅に向上。あらゆる状況下で、より効果的に道路を照らす。フィエスタ・ラリー2と共通の新型リヤウイングは空力性能を向上させ、フィエスタ・ラリー3 Evoの外観をスマートかつアグレッシブにしている。アップグレードパッケージに搭載されたギヤボックスはクロスレシオ化され、加速性能と低車速域でのトルク伝達力を向上させている。
グラベル用ダンパーは、今回の仕様変更では従来仕様のトラクション特性を維持しつつ、高い荷重がかかる際の路面接触性を向上させ、特にバンピーなステージや轍のあるステージにおいて、より正確で安定した走りを可能にしている。一方、ターマック用ダンパーでは、ダンパーの圧縮行程の終盤の減衰特性を向上させ、鋭い衝撃を低減させた。接地性を向上させ、車両のトラクション能力を高めている。また、新たに採用した高効率のフロントブレーキエアダクトは、従来型に比べブレーキの冷却性能を大幅に向上させた。
Mスポーツ・ポーランドのマネージングディレクター、マチェイ・ボダは「ラリー3カテゴリーは、Mスポーツ・ポーランドにとってだけでなく、ラリー界全体にとって非常に重要なカテゴリー。フィエスタ・ラリー3に関しては、投入以来、世界中のカスタマーから非常にポジティブなフィードバックを受け取っている。 その結果、イベントでの総合優勝や、競争の激しい国内選手権で上位に食い込むなど、実に素晴らしい結果を残している」と語る。
「フィエスタ・ラリー3 Evoで目指したのは、選手権で戦うカスタマーを支援すること。今年は、ラリー3カテゴリーでは新たなマニュファクチャラーとの戦いに直面するが、非常に楽しみにもしている。それでこそ、競技だ。フィエスタ・ラリー3Evoが市場で最も競争力のある製品にするために、我々はできる限りのことをしていきたいと考えており、今回の包括的なアップデートはそれを明確にするもの。Mスポーツ・ポーランドが製作するすべてのマシンは、常に可能性の限界に挑戦しているため、開発は継続的に行うものでもある」