ERC第2戦ラリーイズラス・カナリアス(スペイン、ターマック)は5月5日、カナリア諸島グランカナリア島で競技2日目となる6SS・88.72kmを走行。波乱の連続となったこの日を終えて、ヨアン・ボナート(シトロエンC3ラリー2)が総合首位に立った。
ERCレギュラーやスペイン選手権の強豪を相手に、この日のボナートは鮮烈な走りを披露。ステージウインを4本奪取し、前日のスーパーSSでトップタイムをマークした選手権リーダーのヘイデン・パッドン(ヒョンデi20Nラリー2)に11.0秒差をつけた。
「もちろん妻のことを愛しているが、自分のタイヤとマシンのことも愛している」と語るボナートはミシュランタイヤユーザー。
「本当に完璧な一日だった。マシンもタイヤもパーフェクト、ドライバーとコ・ドライバーもそう悪くない。今日、ウエットコンディションになった最初のステージを除けば、いい一日だった。ハッピーだよ。ちょっと驚いてもいるが、この流れを維持しなくてはならない。それが一番重要」
前日、屋内バスケットコートを通過するという斬新なステージで幕を開けた今年のERCカナリアス。この日は、朝から小雨に見舞われ、湿った路面がよりチャレンジングなものとなった。しかし、道はあっという間に乾き始め、走行順が後ろになるほどグリップに恵まれコンディションも安定するように。気温や路面温度の上昇を想定してハードコンパウンドタイヤを選択する選手が多い中、14.94kmのステージで滑りやすいセクションに対応するためにソフトタイヤをチョイスするクルーもいるなど判断が分かれた。
木曜日の予選ステージでクラッシュを喫し、この日は走行順22番手となった昨年チャンピオンのエフレン・ラレーナ(シュコダ・ファビアRSラリー2)は、走行順が遅くなったことが有利に働き、この日最初のSS2でベストタイムをマーク。
「今日最初の1本は、必死にプッシュした。少し湿っていてスリッパリーだったが、自分が走る時にはみんなの時よりも少し乾いていた」」と語るラレーナだったが、前日のスーパーSSでルートを外れたことで10秒のタイムペナルティを科された。さらにSS4では、タイヤ圧が低くなったことでスタートが遅れ、SS5を終えた時点で総合4番手に後退。しかし、SS5には、アンダーステアに苦しむアンドレア・ヌチータをかわして3番手に浮上している。
ラレーナとは対照的に、ピレリを履くパッドンはこの日は走行順5番手。SS2はスリッパリーなコンディションに見舞われ、湿ったセクションで足下をすくわれ自信を失ったと伝えた。しかし、日中サービスでアンダーステアを快勝すると、気温が上昇する中で絶妙なタイヤマネージメントで、SS7では3番手タイム、SS8ではベストタイムをたたき出し、この日を2番手で折り返した。
競技最終日となる6日(土)は、3SSを2ループする6SS・99.46kmが設定されている。
ERCカナリアス 暫定結果(金曜日終了時点)
1 Y.ボナート(シトロエンC3ラリー2) 54:29.2
2 H.パッドン(ヒョンデi20Nラリー2) +11.0
3 E.ラレーナ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +24.2
4 A.ヌチータ(ヒョンデi20Nラリー2) +27.3
5 J.パルド(ヒョンデi20Nラリー2) +31.4
6 I.アレス(ヒョンデi20Nラリー2) +31.5