ERC第2戦ラリーイズラス・カナリアス(スペイン、ターマック)は5月6日、カナリア諸島グランカナリア島で競技最終日となる3SSを2ループする6SS、99.46kmを走行。前日を首位で折り返したヨアン・ボナート(シトロエンC3ラリー2)が、リードを維持して今季初優勝を飾った。
2番手につける選手権リーダー、ヘイデン・パッドン(ヒョンデi20Nラリー2)に11.0秒のリードを築いて最終日を迎えたボナートは、天候の変わりやすいこの日最初のステージを制してリードを12.8秒に広げると、ドライ、セミウエット、フルウエットのセクションと所々に霧が発生する27.74kmのステージも攻略し、ライバルに差をつけた。ミシュランのミディアムコンパウンド4本をチョイスしたボナートはこのステージでパッドンに19.4秒差をつけると、続くSS10でもベストタイムをマークして、日中サービスに戻ってきた。SS11では連続ベストが途絶えたが、総合首位の座は最後まで譲らなかった。
「自分たちもベストを尽くしたが、マシンとタイヤも完璧だったので、本当に満足」と語るボナートは、昨年10月のカタルーニャ以来のERC優勝。
「最初のループはミディアムタイヤを履いたが、天候にバッチリ合った。天気がどうなるかは誰にも分からないが、午前中はハードのスペアを1本載せていった。部分的に湿った区間があるだけで、ステージ全部がそうではないことを理解していたからね。素晴らしいラリーだし、おかげで速い走りをしやすかった。そんな時は、これでラリーを終えたくない、あと数日は走り続けたいと思ってしまうよ」
パッドンは今大会、屋内バスケットコートを通過するスーパーSSを含め2本のステージウインをマークして2位を死守。選手権争いでは首位を守っている。
「今日は天気が本当に変わりやすかったので、タイヤ選択が一番難しかった」とパッドン。
「選手権争いに絡んでいなければリスクを取ることもできるが、あらゆる事態を想定して落としどころを見つけなくてはならなかった。自分たちはリスクを避けた選択をした。今日の2本目ではかなりタイムをロスしたが、正直、今日はヨアンには追いつけないと思っていたので、2位を守ることができてうれしい。マシンは完璧だったし、いいリザルトだ」
昨年チャンピオンのエフレン・ラレーナ(シュコダ・ファビアRSラリー2)は、SS8では雨に見舞われる中をハードタイヤで走らなくてはならないという状況に追い込まれたが、イバン・アレス(i20Nラリー2)の猛追を振り切ってポディウムに上がった。
一方、Mスポーツ・ポーランドが実戦に初投入したフォード・フィエスタ・ラリー3 Evoのジョン・アームストロングはERC3トップ、総合では首位に5分34秒7遅れの21位で新型マシンのデビュー戦を走り切った。ERC4は、ラリー全般で首位に立っていたロベルト・ダプラ(プジョー208ラリー4)がリタイアしたことで、ベンデガス・ハンゴディ(208ラリー4)が部門優勝を飾った。
ERCの次戦は、第3戦ラリーポーランド(グラベル)が5月19〜21日に開催。ジュニアERCが開幕を迎え、注目のマックス・マクレーや、TGR WRCラリーチャレンジ2期生のエントリーが予定されている。
ERCカナリアス最終結果
1 Y.ボナート(シトロエンC3ラリー2) 1:55:05.8
2 H.パッドン(ヒョンデi20Nラリー2) +36.9
3 E.ラレーナ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +52.7
4 I.アレス(ヒョンデi20Nラリー2) +1:07.6
5 S.ワグナー(シュコダ・ファビアRSラリー2) +1:313.1
6 A.ヌチータ(ヒョンデi20Nラリー2) +1:15.0