WRC第5戦ラリーポルトガル(グラベル)、WRC2はガス・グリーンスミス(シュコダ・ファビアRSラリー2)が、オリバー・ソルベルグ(ファビアRSラリー2)をわずか1.2秒差で退けて今季2勝目を飾った。
土曜日のステージを終えてソルベルグを35.4秒差で追う形となったグリーンスミス。しかし、最終日の競技が始まる前にソルベルグには、土曜日のSS15での規定違反により1分のタイムペナルティが科され、形勢が逆転する。
24.6秒のアドバンテージを築いての首位で最終日を迎えることになったグリーンスミスに与えられた課題は、残り4SSでこのリードをキープすることだったが、それも言うほど簡単なものではなかった。グリーンスミスはファフェの名物ジャンプ、ペドラ・センターダを激しく着地したことで、フロントバンパーにダメージを負いパワーステアリングにも不調をきたしたが、猛追を振り切って2勝目を獲得した。
一晩明けて状況が一変、チャンスをしっかりモノにしたグリーンスミスは「土曜日の夜にベッドに入る時は、差が大きすぎるし、オリバーはコントロールできているので追いつくのは不可能だと思っていた」と心情を明かした。
「朝起きたら、オリバーに1分のペナルティが与えられていた。24秒あれば、最後まで逃げ切るのに十分だと思ったし、それほど気負ってはいなかったが、最初のファフェでいろいろ起きて、ノンビリしていられなくなったよ!」
一方のソルベルグは、最終日最初の3本を制してグリーンスミスを追い、差を8.7秒まで縮めて最終パワーステージを迎える。ソルベルグはここでWRC2のトップタイムをマークしてボーナスポイントを獲得したが、合計タイムでグリーンスミスに1.2秒届かず、勝利を逃した。
「とにかく挑んだよ」とソルベルグはフィニッシュで語った。
「ロングステージ(SS18、22.01km)では遅すぎた。でもすごくいい週末だった。とても安定していたし、またいい速さで走れた。起きたことは本当に残念だが、こんな時もあるよ」
3位に入ったのは、今季WRC初参戦に挑んだアンドレアス・ミケルセンで、ソルベルグに41.8秒差でポディウムに上がった。前戦クロアチアの勝者、ヨアン・ロッセル(シトロエンC3ラリー2)は1分以上の遅れを喫して4位。
ロッセルは、ポイント争いでは首位を維持しているが、ソルベルグが1ポイント差、グリーンスミスも3ポイント差と上位3人が3ポイント差で並び、激戦となっている。現チャンピオンのエミル・リンドホルムは、ポルトガルをスキップしている。
ボリビアのマルコ・ブラシア(ファビアRSラリー2)は5位でフィニッシュしたほか、WRC2チャレンジャーカテゴリーで優勝。マスターカップでは、スペインの50歳、アレクサンダー・ビラヌエバ(ファビアRSラリー2)がトップフィニッシュを飾っている。
WRCポルトガル WRC2最終結果
1 G.グリーンスミス(シュコダ・ファビアRSラリー2) 3:44:55.1
2 O.ソルベルグ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +1.2
3 A.ミケルセン(シュコダ・ファビアRSラリー2) +43.0
4 Y.ロッセル(シトロエンC3ラリー2) +1:49.8
5 T.スニネン(ヒョンデi20Nラリー2) +2:32.9
6 M.ブラシア(シュコダ・ファビアRSラリー2) +3:07.3
7 J.マクリーン(ヒョンデi20Nラリー2) +5:08.3
8 E.フェルナンデス(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +5:17.8