5月20日、福島県のエビスサーキット西コースでフォーミュラドリフトジャパン(FDJ)第2戦の予選が行われ、KR69 CUSCO RacingからレッドブルGRカローラで参戦する現WRCチャンピオンのカッレ・ロバンペラが、単独で走る方式の走行で100点満点中97点を獲得し、単走優勝を飾った。
前週末に開催されたWRC第5戦ラリーポルトガル(グラベル)で今季初優勝をマークした勢いのままに来日したロバンペラ。レッドブルGRカローラで走行するのは、到着後が初めてだった。それでも、セッティング調整には的確なリクエストを出し、作業を進めるたびに走りやすくなっていったという。
この日に行われた予選では、ライン(30点満点)、アングル(30点満点)、スタイル(40点満点)の3要素で審査され、2回走行してポイントの高い方をカウントする。走行順は現在のポイントランキングをリバースするオーダーとなるため、初参戦のロバンペラは先頭走者として登場した。
ウエットとなった1本目、ドライセッティングのまま走行に臨んだロバンペラ。
「ウエットではあまり走行ができていなかったし、初めて乗るマシンだから、どうセッティングをすればいいか確信が持てなかったので、ドライのままでいった」と語るが、ライン29点、アングル25点、スタイル35点の合計89点と、いきなりの高得点。全員が走行を終えて、FDJエビスで過去2回優勝しているニュージーランドのマッド・マイク(マツダRX-7)と同ポイントのトップに立った。
天候は1時間の昼休みの間に一変し、一気にドライに。ロバンペラは2本目の走行でさらに速度を上げた豪快なドリフトを披露して会場を沸かせた。結果はライン30点、アングル29点、スタイル38点と全要素で自身のポイントを更新し、圧巻の97点をたたき出す。フォーミュラドリフトの発祥の地、米国でも滅多に出ないというハイスコアは全員の走行が終わっても更新されることはなく、ロバンペラが初めてのFDJ参戦で鮮やかに単走優勝を決めた。
この日の走りについて「1本目は雨が降っていて、一番手の走行はトリッキーなコンディションになったけど、プッシュしてすごく楽しめた」とロバンペラ。
上位32名が進出する明日のファイナルは、2台が同時に走行するタンデムラン(追走)で行われる。先行/後追いを入れ替えて2回走行し、審査員が勝敗を決めるトーナメント戦だ。タンデム走行では、後追いの方が好きというロバンペラ。「(ラリーでは)いつも1台だけで走るので、ほかのマシンにギリギリまで接近するような走りは緊張感があって楽しい。明日は、先行ではとにかくスピードを出すことに集中したいね。後追いもスピードが重要で、しっかり前のクルマについていけるようにしたい」と意欲を語った。
ロバンペラは明日のファイナルでは1回戦、予選32位通過の玉川艶哉(トヨタ・スープラ)と対戦する。