ERC第3戦ラリーポーランド(グラベル)は5月19日にミコワイキ・アリーナでのスーパーSS(2.5km)で開幕した。20日は8SS・101.34kmが走行され、マルティン・セスク(シュコダ・ファビアRSラリー2)が8.2秒差をつけての首位に立った。
チームMRFタイヤから参戦するセスクは、金曜日のスーパーSSでは左コーナーで膨らんでタイムロスを喫し、トップタイムに4.3秒遅れの総合22番手からスタート。
しかし、この日最初の18.58kmのステージでベストタイムをマークすると、一気に選手権リーダーのヘイデン・パッドン(ヒョンデi20Nラリー2)まで0.2秒の総合2番手に浮上。SS3、SS4ではパッドンが応戦して2連続でステージウインを奪取するが、セスクも僅差を維持し、両者1.4秒差でミコワイキでの日中サービスを迎えた。
ラトビア出身23歳のセスクは、午後のループで3連続ベストタイムをたたき出すと、9.5秒のリードで首位に浮上し、再びミコワイキのスーパーSSを迎える。前日にミスしたコースに対して慎重なアプローチで臨んだセスクはパッドンに1.3秒を取り戻されるが、それでもリードを守り切り首位でこの日を折り返した。
「悪くはなかった。まだやらなくてはならないことはあるが、速さの面では良かった」とセスク。
「速すぎたところもあれば、遅すぎたところもあるが、すべて順調だった。MRFとチームが素晴らしい仕事をしてくれたおかげで、トップに立てている」
一方、パッドンは土曜日午前の3本はもっと攻められたと感じているようだが、全開でプッシュする準備ができていなかったと説明した。
「タイトル争いを念頭に入れて走る時は、できる限りリスクを排除しなくてはならない」と語るパッドン。前週末に開催されたニュージーランドラリー選手権ラリーオブワンガレイで優勝し、APRCパシフィックカップのタイトル獲得を決めたばかり。
「今はいい争いになっているが、たぶん明日の午後まではそのことは考えられない。それまでは自分たちの走りに専念して、長いスパンでの戦いを維持しなくてはならない」
昨年のERCポーランドの勝者、ミコ・マルチェク(ファビアRSラリー2)は、SS2でコースオフを喫したほか、SS4ではポップオフバルブのトラブルに見舞われ、トップから41.4秒の3番手と出遅れた。
「トップ争いをしたかったが、プッシュしていれば、こんなことも起こる。このレベルではこれが自分のペースだと思うが、明日はもっといいタイムを目指したい」
このポーランドで、今季最初のグラベルラリーにルノー・クリオ・ラリー4で挑んでいるTOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの2期生は、小暮ひかるがERC4の5番手につけている。山本雄紀は17番手、大竹直生は23番手となっている。
競技最終日となる21日は、4SSを2回ずつ走行する8SS・78.22kmが設定される。
ERCポーランド 暫定結果(レグ1終了後)
1 M.セスク(シュコダ・ファビアRSラリー2) 53:38.1
2 H.パッドン(ヒョンデi20Nラリー2) +8.2
3 M.マルチェク( シュコダ・ファビアRSラリー2) +41.4
4 J.マクリーン(ヒョンデi20Nラリー2) +50.1sec
5 M.オストベルグ(シトロエンC3ラリー2) +51.6
6 M.フランチェスキ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +53.5
7 A.マベリーニ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +56.8
8 M.ヘイッキラ(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo) +57.2