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スバル/STI、「SUBARU WRX RALLY CHALLENGE 2023」を初公開、第5戦丹後から実戦投入

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スバルとスバルテクニカインターナショナル(STI)は5月24日、開発を進めてきた全日本ラリー選手権JN-1クラスに投入するスバルWRX S4ベースの新型車両「SUBARU WRX RALLY CHALLENGE 2023」を初公開した。6月9〜11日、京都府京丹後市で開催される第5戦ラリー丹後(ターマック)から実戦に投入する。

今季は「SUBARU RALLY CHALLENGE」という名称のチームのもと、これまで行ってきたドライバーの新井敏弘と鎌田卓麻のチーム運営サポートに加え、車両開発のサポートを行うことを発表していたが、全日本ラリー選手権はここまでの4戦は、VAB型スバルWRX STIをベースとした車両での参戦を続けていた。

この日は、あらためてチーム体制を説明するとともに、新型車両の走行を初めて公開した。SUBARU WRX RALLY CHALLENGE 2023の主な特徴として、次の3点を挙げている。

[エンジン性能と信頼性の向上]
2.4リットル水平対向直噴ターボエンジン(FA24)およびエンジン制御系を一新。さらなるレスポンスアップと出力向上を狙う。

[シャシー性能向上]
スバルグローバルプラットフォーム(SGP)を基に、高剛性&ストロークアップを目標にサスペンションや駆動系を新設計。

[車両軽量化]
今季から全日本ラリー選手権のJN-1クラスに新たに導入されたJP4規定に合わせ、骨格部分の剛性はキープする一方で、不要部削除などの軽量化を推進。最低車両重量1300kgを目指す。

チーム代表兼監督を務めるスバル商品企画部モータースポーツプロジェクト主査の嶋村誠は「スバルのモータースポーツのDNAはラリー。それを継承してチャレンジを続けることがSUBARU RALLY CHALLENGEの役割です」と語る。
「WRXというこれまで築いてきたブランドを、国内でさらに高めて次世代へつなぐ。そのためには、全日本ラリーで速く強いWRXが必要です。これまで戦ってきてくれた新井選手、鎌田選手と連携し、ドライバーとメーカーだけでなくディーラー、さらにファンのみなさまとの関係をより強め、“ワンチーム”で戦っていきます。また、WRC参戦時代のスタッフが社内で減っていく中、そのノウハウを継承し、次期スポーツ系車両を開発できるエンジニアの育成にも取り組んでいきます」

ドライバーを務める新井は、今週の月曜日に初めてSUBARU WRX RALLY CHALLENGE 2023の走行を行ったという。
「シャシーがすごくいい。VABもよかったのですが、それを2、3倍は上まわる」と絶賛。
「シャシー剛性が高く、サスペンションもよく動いてくれて、クルマの大きさや重さも感じません。まだライバル車との比較ができていないのでなんとも言えませんが、ラリー丹後ではいい成績を残せるのではないかと期待しています」

鎌田もここまでの厳しい状況を振り返り「コロナ禍や世界情勢の影響で車両製作が難しくなっていくなかで、旧型を速くしながら新型を開発しなくてはならず、チームの方には本当にたくさんご尽力をいただいて、やっとスタートラインに立てたと思っています」と喜びを見せる。
「マシンは予想よりもだんぜん速くて、ここまでチームとセッティングの相談などをする機会はなかったのですが、何のセッティングをしていない状態でも、いまのVABと同じくらいのスピードが出せているので、とてもモチベーションが高まっています。これから新井選手とふたりでセットアップを煮詰めて、第5戦のラリー丹後に臨みたいと思います」

SUBARU WRX RALLY CHALLENGE 2023 スペック
●エンジン
排気量:2387cc
ボア×ストローク:94mm×86mm
エアリストリクター:直系34mm(JP4規定)
●トランスミッション
ギヤボックス:6速機械式シフト(シーケンシャル)
駆動方式:4WD機械式ディファレンシャル
●サスペンション
フロント:ストラット
リヤ:マルチリンク
●ブレーキ
フロント/リヤ:4ポットキャリパー
●諸元
全長:4625mm
全幅:1825mm
全高:1465mm
最低重量:1300kg(JP4規定)



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