WRCサルディニア:波乱の競技3日目、サバイバル戦を生き残ったヌービルがトップ。一時首位のオジエはコースオフ – RALLYPLUS.NET ラリープラス
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WRCサルディニア:波乱の競技3日目、サバイバル戦を生き残ったヌービルがトップ。一時首位のオジエはコースオフ

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2023年シーズンWRC第6戦ラリーイタリア・サルディニアは、6月3日(土)に3日目の8SSを走行し、ヒョンデのティエリー・ヌービルが首位に立った。36.4秒差の2番手にチームメイトのエサペッカ・ラッピ、1分50秒7差の3番手にはトヨタのカッレ・ロバンペラがつける。トヨタの勝田貴元は、SS9のフィニッシュ後にリタイアとなった。

土曜日のルートは、サービスが置かれたオルビアの西に設置された4ステージをループする8SS、135.46km。「Coiluna-Loelle(16.28km)」、「Su Filigosu(19.57km)」、「Erula-Tula(21.92km)」、「Tempio Pausania(9.04km)」の4ステージは、距離こそ長くないがバンピーで尖った岩が散乱しており、深い川渡りを行うウォータースプラッシュも存在している。

オープニングのSS8、トップふたりを追うヌービルが、トヨタのセバスチャン・オジエに1.1秒差のベストタイム。ラッピはオジエから1.8秒遅れたステージ4番手に終わり、これでオジエが1.7秒差をつけて首位に立った。後方ではトヨタの勝田貴元が、スタートから14km地点のウォータースプラッシュでフロントにダメージを負ってタイムロス。チームメイトのエルフィン・エバンスが、勝田をとらえて総合5番手に順位を上げている。

続くSS9も、ヌービルがラッピに2.2秒差をつけての連続ベスト。オジエはラッピに2.0秒差のSS3番手タイムで走り、ラッピが0.3秒ながらも首位を獲り返した。前のステージでマシンに大ダメージを負った勝田はフィニッシュ後に応急処置を施してSS9に向かったものの、再びストップ。この時点でラリー続行を諦めている。

HYUNDAI


SS9では、総合7番手につけていたタナックも、ウォータースプラッシュでエンジンがストール。水を被ったエンジンが止まったまま、EVモードでのフィニッシュを余儀なくされた。タナックのフォード・プーマ・ハイブリッド・ラリー1はエンジンが再始動できず、SS10を前にリタイアを決めた。

この日最も長い21.92kmを走行するSS10で、オジエは首位を争うラッピに13秒差をつける会心のベストタイムをたたき出し、一気に総合タイム差を12.7秒に広げて、再びトップを奪った。左フロントタイヤにダメージを負ったまま走行を続けたラッピは「フィニッシュ直前でタイヤのライフが尽きてしまった。この滑りやすいコンディションでは、これ以上は速く走れない」と、肩をすくめた。また、5番手を走行していたエバンスまでもが、ウォータースプラッシュでフロントセクションをヒット。なんとか走行を続けているものの、このステージだけで2分近くのタイムロスを強いられている。

多くのクルーがトラブルを抱えるなか、SS11はヌービルがオジエに3.0秒差をつけて、この日3度目の一番時計。タイヤを使い切ってしまったラッピはベストから8.5秒差のSS5番手タイムが精一杯だ。オジエとの差は18.2秒に拡大しただけでなく、ヌービルが6.5秒差にまで迫ってきた。

オルビアでのサービスを挟んで、午前中と同じルートを再走する午後のセクション。SS12はラッピがヌービルに3.0秒差をつけ、この日初となるベストタイムをマーク。ウォータースプラッシュでエンジンのパワーダウンに見舞われたオジエは、7.7秒差の3番手タイム。これでラッピとの差は10.5秒に縮まった。オジエはステージフィニッシュ後、マシンをチェックし、続くSS13へと向かう。

前日に続き、激しい雨が降り出したSS13はヌービルがベスト。3番手タイムのラッピは、マシンの右サイドにダメージを負ったオジエを6.2秒上まわり、その差を4.3秒に縮めた。さらにヌービルが7.4秒差に迫っており、上位3人の争いはいよいよ混沌としてきた。後方では、午前中にタナックを飲み込んだウォータースプラッシュでエバンスのエンジンがストール。彼もまたEVモードでの走行を強いられることになった。6番手を走行するヒョンデのダニ・ソルドは、油圧の低下によりストップするも、応急処置を施してステージを走り切っている。

SS14、依然として雨が降り続くなか、首位のオジエがスタートから1.4km地点の左コーナーでコースオフ。クルーは無事だったものの、彼のトヨタGRヤリス・ラリー1は堤防から滑り落ちてしまう。このステージでソルドに続くセカンドベストをマークしたヌービルが、「オジエがコースオフするのを見て、スロットルを緩めたよ」と振り返ったラッピをかわし、23.8秒差の首位に立った。

この日の最後を締めくくるSS15もベストでまとめたヌービルは、最終日を前に総合2番手につけるラッピとの差を36.4秒に拡大。この日だけで5つのベストを刻んだヌービルは「まずは今日を走り切れて、ホッとしているよ。タフな1日だったけど、クルマのフィーリングはどんどん良くなっていった。ヒョンデが1-2だし、明日はクレバーなドライビングで戻ってきたいね」と、笑顔で振り返った。

オジエと勝田が戦列を去ったものの、トヨタ勢は、粘り強く走り続けたカッレ・ロバンペラが、首位から1分50秒7差ながら、表彰台圏内の総合3番手。2度もウォータースプラッシュでのトラブルに見舞われたエバンスも、5分36秒5差の4番手で厳しい1日を走り切った。また、前日のコースオフで21番手まで順位を落としていたソルドは、入賞圏内の5番手まで順位を戻している。

TOYOTA


競技4日目はSS16〜SS19の4SS、SS走行距離は46.02km。オープニングのSS16は、日本時間6月4日の14時05分にスタートする。

WRCサルディニア SS15後暫定結果
1. T.ヌービル(ヒョンデi20Nラリー1) 3:10:36.9
2. E.ラッピ(ヒョンデi20Nラリー1) +36.4
3. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +1:50.7
4. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +5:36.5
5. D.ソルド(ヒョンデi20Nラリー1) +6:27.9
6. A.フルモー(フォード・フィエスタRSラリー2) +8:11.7
7. A.ミケルセン(シュコダ・ファビアRSラリー2) +8:37.4
8. T.スニネン(ヒョンデi20Nラリー2) +10:46.4
9. E.リンドホルム(シュコダ・ファビアRSラリー2) +11:08.3
10. K.カエタノビッチ(シュコダ・ファビアRSラリー2) +11:40.5



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