6月22日に開幕するWRC第7戦サファリラリーケニア(グラベル)で、ヒョンデ勢は前戦サルディニアで初優勝をマークした勢いをつなげて選手権争いでトヨタとの差を詰めていく構えだ。
サルディニアではティエリー・ヌービルが今季初優勝をマーク。エサペッカ・ラッピも2位に入り、チームが1‐2フィニッシュを決めた。グラベル連戦3戦目となるサファリでも、さらにポイントを重ねてマニュファクチャラーズ選手権で首位に立つトヨタとのギャップを埋めていくことを目指し、ヌービル、ラッピ、ダニ・ソルドをヒョンデi20Nラリー1ハイブリッドのドライバーとしてエントリーする。
サファリではまだポディウムに上がったことのないヌービルだが、サルディニアでの勝利でつかんだペースをシリーズ伝統の難関グラベルラリーにつなげていきたいところだ。
「ケニアは冒険。国立公園や郊外を走り抜けるのだが、砂やフェシュフェシュ(パウダー状の砂が堆積した路面)ですごくラフなセクションがあるので、タフで非常にチャレンジングなイベントだ」とヌービル。
「どのステージも独特の性格を持っているが、コンディションの変化や路面が変わることが、このラリーの楽しいところ。目標はもちろん優勝なので、ラリーを通して戦い続ける。このラリーは、最後の最後までどうなるか分からないことを、自分たちはよく知っているからね。2年前、自分たちはリードしていたがフィニッシュ目前で残念ながらトラブルに見舞われた。今年は、優勝したい」
2021年にWRCカレンダーに復帰したサファリ。ラッピの参戦は今回が初めてとなる。しかし、ヒョンデに加入した今季、直近3戦では連続でポディウムに上がっており高いポテンシャルに期待がかかる。
「サファリに向けた準備は、通常より大変だ。独特の区間でどんなドライビングをするべきかを理解するために、できる限り多くのオンボード動画を観てきた」とラッピ。
「今回もグラベルラリーだが、自分たちのマシンはこの路面でいいパフォーマンスを出せることは分かっている。でも、車高を高くする必要があるかもしれない。シマウマがたくさんいるとも聞いているので、道に出てくることもあるかもしれないから、自分にとってはコンディションはもちろん、動物系でも独特の経験になりそうだね! ここからは、どのラリーでもポディウムを目指していかなくてはならない。速さがあることは分かっているので、表彰台が目標だ」
過去2勝を挙げているサルディニアがリタイアと悔しい結果となったソルド。サファリの参戦は2度目だが、コ・ドライバーのカンディード・カレラにとっては初めてだ。
「サファリは前に1度参戦したことがあるが、ステージはかなり独特。特に周りに動物がいたり、フェシュフェシュはトリッキーだ」とソルド。
「天気も大きな鍵を握る要素で、雨が降ればステージがスリッパリーになる。今回の目標はポディウム争いをして、チームにも再び勝利をもたらしたい。ケニアは速さだけではなく、待ち構えるすべての試練を乗り越える強さが必要だ」