2024年のWRC、新規イベントとしてカレンダー入りが確定しているラリーラトビア(グラベル)の概要が明らかになり、トップクラスのイベントとしての期待が高まっている。
ラトビアでは6月17〜18日にERCラリーリエパヤが開催されたが、2024年のWRCラトビアは、2013年からERCラウンドとして開催されているこのイベントのアップグレード版となる。世界ラリークロス選手権の舞台にもなっている首都リガのラリークロスコースでのスーパーSSで開幕した後、リガの西部に位置するリエパヤ、タルシ周辺にステージが設定される。
今回のERCラウンドでは、FIAのWRCセーフティ委員長を務めるミシェル・ムートンがルートを視察。トヨタのエルフィン・エバンスが、ダニエル・バリットをコ・ドライバーに迎えて今年のステージをレッキしている。
今回のERCラウンドに参戦し、3位でフィニッシュしたマッズ・オストベルグはこのラリーについて「特に2ループ目のステージはラフになると思うが、WRCのドライバーは慣れているので大きな問題にはならない」と語る。
「リエパヤはいい街で、WRCイベントに対応できる体制が整っているしファンも多い。選手権に新たなイベントが加わるのはいいことだ。エストニアやフィンランドの地方にも似ていて、速度域の高いグラベルという点では少しポーランドにも似ている。かなり限界まで攻めるステージになるかもしれないが、WRCのドライバーならうまく走ると思う」
このERCを2位でフィニッシュしたヘイデン・パッドンは「ベースはいいが、解決しなくてはならないこともいくつかある。27kmのステージを2回連続で走れるのか疑問があるし、ドライだとダストが大きな問題になる。ラリー1マシンは、ラリー2よりも多くダストを巻き上げるからね」と語る。今回のリエパヤでは、SS1でダストがひどかったため、連続で走行が予定されていたSS2がキャンセルとなっている。
「でも、国や道としては、素晴らしいラリーになると思う。エストニアに似ている場所もあるが、独自の性格を持つ場所もある。エストニアほどカットできないが、道の地盤がとても固いのですごくいい」
WRC2部門にも参戦中で、このリエパヤを4位でフィニッシュしたアイルランドのジョシュ・マクリーンは「間違いなく道は素晴らしいし、2ループ目に轍ができるとどれだけトリッキーなのかが分かった。雰囲気やイベントの運営はまさにトップクラス。初日のダストはもちろん課題になると思うが、それを解決すれば、トップクラスの高速グラベルラリーになると思う」と語っている。
2024年のWRCカレンダーはFIA世界モータースポーツカウンシルの承認待ちではあるが、ラリーラトビアは、ラリーエストニアに代わって7月中旬の枠に入り、エストニアはERCとして1年開催した後、2025年にWRCに復帰するものと見られている。
(Graham Lister)