2023年シーズン全日本ラリー選手権第6戦「2023 ARK ラリー・カムイ」は、7月9日(日)に最終日の6SSを走行し、JN-1クラスは勝田範彦/木村裕介(トヨタGRヤリスJP4-ラリー2)が、福永修/齊田美早子(シュコダ・ファビア・ラリー2 Evo)に1分42秒5差をつけて、シーズン初勝利を飾った。5分27秒1差の3位には今井聡/高橋芙悠 (シトロエンC3 R5)が入っている。
ラリー2日目は「NEW SUN-RISE(3.63km)」、今回最長の距離を走る「ORCHID SHORT(12.35km)」、「KNOLL(7.56km)」をサービスを挟んでリピートする6SS、47.08km。前日に続き、コンディションはドライ。クルーは15分のモーニングサービスをこなし、SS7のスタートへと向かう。
ラリー初日を終えて、クラス2番手につける福永に1分以上のアドバンテージを握った勝田は、最終日もペースを緩めることなく順調に走行を続ける。前日の最終サービスでダンパーにオイル漏れの症状が発覚したことから、勝田のトヨタGRヤリスJP4-ラリー2は、足まわりをすべて交換。「ちょっとバランスが崩れてしまった」と、違和感を指摘しながらもSS7からSS9まで3連続ベストをたたき出す。これで福永との差は1分37秒2にまで広がった。
ニセコアンヌプリ国際スキー場の駐車場に置かれたサービスを挟んだ午後のセクション。最初の走行で深く轍が刻まれ、さらに日陰にはウエットが残る難しいコンディションから、各クラスでコースオフが多発するなか、勝田はSS10からSS12まで3連続ベスト刻む。終わってみれば、この日行われた全SSを制して、今シーズン初勝利。加えて、GRヤリスJP4-ラリー2での初優勝を手にした。
「ラリー前のテストで転倒してしまいましたが、メカニックの頑張りで、無事にスタートすることができました。ヘイキ(コバライネン)選手がSS1でトラブルから脱落してしまい、タイムが比べられなかったのは残念ですが、それでもチームや応援してくださるファンの皆さんに、結果を持ち帰れたことをうれしく思います」と、勝田はチームへの感謝を語っている。
1分42秒5差の2位に終わった福永は「今日の午後、セットアップを変えたことで、奴田原選手にはすべて勝つことができました。次のラリー北海道に向けて、良いフィードバックを得られたと思います。悔しいのは初日のSS2におけるバーストです。5kmくらいをパンクしたまま走行したことで、40秒くらいロスしてしまいました」と、悔しさをのぞかせた。
5分27秒1差の3位に今井が入り、全日本ラリー選手権トップカテゴリーでの初表彰台を獲得。今シーズンから投入したGRカローラで初のグラベルに挑んだ松岡孝典/坂口慎一は、6分2秒2差の4位で走り切っている。
JN-2クラスは奴田原文雄/東駿吾(トヨタGRヤリス)が、危なげなくシーズン4勝目。トータルタイムでも勝田に次ぐ2番手に入るスピードを披露した。眞貝知志/安藤裕一(トヨタGRヤリス)はSS7でコースオフを喫しながらも、クラス2位。こちらもトータルで4番手相当のタイムをマークしている。