8月3〜6日に開催されるWRC第9戦ラリーフィンランド(グラベル)への参戦を発表した、トヨタのチーム代表、ヤリ‐マティ・ラトバラ。主催者でクラークオブザコースを務めるカイ・タルキアイネンは、選手権屈指の高速イベントでWRC実戦に復帰するラトバラの参戦は、単純にエントリー台数を増やすことだけではないと考えている。
ラトバラのWRC参戦は2020年のスウェーデン以来で、ラリー1マシンでの実戦は今回が初めて。今回のフィンランドでは、普段、自身が指揮を執るトヨタ・ガズーレーシングWRTから4台目のトヨタGRヤリス・ラリー1ハイブリッドをドライブする。なお、セバスチャン・オジエは参戦しないため、勝田貴元が選手権ノミネートを受ける。
「ヤリ‐マティがWRCラウンドでまたドライバーを務める姿を見ることができるのは、素晴らしいよ」とタルキアイネン。
「もちろん、簡単なことではないとは思うが、彼もマシンに乗ったら観光客というわけにはいかないだろうね」
「40歳になるまでに、ラリー1マシンで参戦したいと思っていた」と言うラトバラは、4月に38歳の誕生日を迎えた。WRCではこれまでに18勝をマークしており、このフィンランドが210回目の参戦。2012年ERCのドライバー王者で、現在はトヨタの若手育成プログラムでコーチを務めているユホ・ハンニネンが、コ・ドライバーを務める。フィンランドでのカーナンバーは97を選択。これは、ワールドラリーカー規定が導入された1997年と、父であるヤリがフォード・エスコートWRCを手に入れたことにちなんでいるという。
今年のラリーフィンランドには、ラトバラを含め68台がエントリー。これは、2018年の67台以来の最多台数となる。ラリー1マシンは、2022年からは3台減り9台となったが、昨年の総エントリーが44台であったことに比べ格段に増加している。
タルキアイネンは「エントリー台数の点では、大きな躍進を果たした。ファンにとっては、ステージをより楽しめるので非常にいいニュースだ。また主催者としても、以前よりも多くの競技者がこのイベントに足を運んでくれることは、我々のラリーや選手権全体の人気を示していることになる」
昨年のラリーフィンランドで、17歳で母国デビューを果たしたキミ・ライコネンの甥、ユストゥスも再び参戦。プジョー208ラリー4でエントリーしている。
(Graham Lister)