今週開催されるWRC第8戦ラリーエストニア(グラベル)にヒョンデは、ティエリ・ヌービル、エサペッカ・ラッピに加え、テーム・スニネンを初めてヒョンデi20Nラリー1ハイブリッドのドライバーに起用する。
2021年のエストニアではポディウムに上がっているヌービル。前戦サファリでは失格によりノーポイントで終わっているだけに、シーズン後半戦に向けてここで勢いに乗りたいところだ。
「ラリーエストニアは、自分にとっては毎年チャレンジングなイベントになっている。高速でワイドな道なので平均速度が非常に高く、強い決意とマシンに乗りやすさを感じられることがとても必要だ」とヌービル。
「少なくとも1ループ目は、車高を低くして走ることが多い。2ループ目は轍が掘れるので、車高を上げなくてはならないかもしれない。基本的に、精度を得るためマシンの剛性と指向性のバランスを取らなくてはならないが、十分なトラクションを維持することも必要だ。適切なバランスを見つけるのは大変だが、これが一番の試練になる」
前戦サファリでは、プロペラシャフトが破損するまでポディウム争いに絡んでいたラッピ。ヒョンデに加入した今季はここまで、安定してパフォーマンスを披露している。
「誰もが知っているように、速さの面では、このイベントはフィンランドやチリに似ている。ドライビングスタイルはフル加速かブレーキ。その間はない」とラッピ。
「通常、中央ヨーロッパのラリーでは違う方法でドライブしなくてはならないが、エストニアとフィンランドでは、フル加速。そこが最大の違いだ。一番の試練のひとつは、自分の見方としては、道の使い方があまり明確ではないこと。スペースがあれば、茂みからカットして出口を使うことができる。快適に道のアウト側に出られるようにするためには、その速さに完璧なペースノートが必要だ。これを正しく行うことが一番トリッキーなんだ」
待望のWRCラウンドでのラリー1マシンデビューを果たすスニネンは、エストニアではWRC2部門2位でフィニッシュした経験がある。
「ヒョンデi20Nラリー1ハイブリッドで参戦できることに、心からワクワクしている。特に、自分の好きなラリーのひとつだしね」とスニネン。
「ずっとこの時を夢見て、トップクラスカテゴリーのマシンに戻るために必死に努力してきたので、ここにいられて最高だよ。通常、ラリーエストニアはカレンダーの中でも速度域の高いラリーで、スプリントのような感じ。だから、スタートからフィニッシュまで全開でドライブしなくてはならない。路面は通常、かなりソフトなので、グリップレベルが非常に高い。特に2ループ目は深い轍が掘れるところもある。自分の一番の目標はマニュファクチャラーズ選手権のためにポイントを獲得することだが、いいペースを披露することも必要。フィーリングがよければ、上位リザルトを目指してプッシュも辞さないよ」